「膠原病」早期発見するための知られざる特徴 「消化器や皮膚の疾患」に見えて気づきにくい

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膠原病を正しく知り、早期発見する方法をお伝えします(写真:hirost/PIXTA)

みなさんは膠原病という言葉を周囲で見聞きしたことはあるでしょうか。何だか堅苦しい言葉ですが、リウマチというとピンとくる方が多いかもしれません。膠原病の症状は、一見消化器の疾患や皮膚の疾患のように見えることも多く、正しく受診・治療がされていないために長引いてしまうケースが少なくありません。今回は、膠原病を正しく知り、早期発見するための特徴をお伝えできればと思います。

膠原病は「病気のグループ」を表す

膠原病とはひとつの病気の名前ではなく、感染症や悪性腫瘍(がん)のように病気のグループを表す言葉です。診療科は「膠原病内科」またはわかりやすく「リウマチ科」と呼ばれます。

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膠原病のメカニズムについてですが、本来、身体は外から入ってきた細菌等の異物に対して抗体という物質をつくって排除することで病気から自分自身を守っています。しかし何らかの原因で免疫が暴走し、自分自身に対して抗体を作ってしまうことで皮膚や関節、臓器などを自分で傷つけてしまうのです。そのため膠原病は「自己免疫疾患」とも呼ばれており、どのような抗体が作られ、そしてどのような症状が表れるかによって病気が種類分けされています。

したがって診断は、がんのように内視鏡で腫瘍そのものが見つかることで診断されるのではなく、いくつかの症状を組み合わせてそれに合致する病気を判断します。全身の症状から、免疫が暴走した証拠を集めて犯人を推理するようなものです。採血でも異常な抗体が増えているかがわかりますが、それだけでは診断にならないため、患者さん自身の訴えが大切な疾患グループでもあります。

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