「膠原病」早期発見するための知られざる特徴 「消化器や皮膚の疾患」に見えて気づきにくい

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膠原病はそれ自体で命を落とすことは稀ですが、あくまで免疫や炎症を抑える治療が主であるため、長期にわたってじっくりと付き合っていく必要がある疾患グループでもあります。

治療でよく使われるのはステロイドという薬剤です。白内障、むくみ、他の感染症に弱くなるといった副作用から敬遠されることもありますが、抗炎症作用と免疫抑制作用をあわせもつため、正しく使えば膠原病にとても有効な薬です。

ステロイドの注意点

ただし、注意することとしては、急に内服をやめてはいけないという点です。ステロイドは健康な人でも副腎という腎臓の上にある器官から分泌される、生命維持に不可欠なホルモンですが、しばらく薬で補うことを続けていると副腎が休んでしまい、ホルモンの分泌が減ってしまいます。このとき急に内服を止めてしまうと、発熱や頭痛、全身のだるさのほか、意識障害やショックといった生命にかかわる状態になる場合があります。そのため、ステロイドをやめるときは少しずつ量を減らすことが重要です。内服を続けることによる副作用が心配な場合は、担当医に早めに相談しましょう。

また、一部の膠原病には生物学的製剤という、直接異常な免疫の場所を叩く薬が開発されています。例えば関節リウマチは、以前は痛みを一時的に抑える治療しかなく、関節の変形が止められず患者さんがつらい思いをする疾患でした。生物学的製剤の登場によってこうした症状が劇的に改善しており、他の膠原病でも開発が進められている分野です。

膠原病は症状も種類もさまざまであるため馴染みづらい疾患グループではありますが、そのどれもが特徴的であるため、一度基本的な症状を知っておくと早期発見と早期治療に役立ちます。今回の記事がその一助となれば幸いです。

上原 桃子 医師・産業医

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うえはら ももこ / Momoko Uehara

横浜市立大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。身体とこころの健康、未病の活動に尽力し、健康経営に関する医療系書籍の編集にも関わっている。医師と患者のコミュニケーションを医療関係者、患者双方の視点から見つめ直すことを課題とし、とくに働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。

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