子供も親も知らない「卒業式にいない先生」の正体 担任、部活顧問も担う「非正規教員」の実態

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だが、年度途中から学級をまとめるのは容易でないうえに、クラスが荒れた状態で引き継ぐことが多いため、多大な労力を要する。加えて、たとえうまく立て直せたとしても、翌年の雇用が保障されるわけではない。

1年ごとに学校を転々とする

こうした学校の非正規教員の扱いは民間企業の契約社員とは対照的だ。民間企業ならば、「同一労働・同一賃金」の観点から、非正規社員の仕事内容や責任は正規社員と同じではない。正社員と同じ内容と責任の業務を非正規社員に負わせることは、「有期雇用労働法」によって禁じられている。

だが、公立学校の臨時的任用教員は、正規教員とほぼ同じ内容と責任の仕事を負わされている。小学校では学級担任を任され、中学校では授業のほかにも、部活動の顧問まで受け持つ。

それにもかかわらず、給与や賞与などの待遇面は正規教員よりも劣っている。臨時任用教員の雇用契約は「最長1年」のため、1年ごとに学校を転々とする非正規教員は多い。非正規教員は単年契約のため、2年連続で同じ学校に勤めさせるのはおかしいという考え方からだ。

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