50代から「挑戦できる人」「できない人」の決定差 中高年世代こそ「逃げ恥」精神が超重要なワケ

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役職定年で50歳以降、管理職のポストを奪われる可能性もある。それでも、定年は延長されて、長い人は10年20年と働き続けるという構造的な問題もあります。そんなことも踏まえたうえで、次の手や引き際を自分で考える必要があるのです。

インテリアコーディネーター協会の会長をやっていた友人がいます。彼女は県内で大手マンションのモデルルームから、病院、個人宅まで幅広く手がけていて、建築業者からも絶大なる信頼がありました。

組織を離れると見えてくることがある

ところが、「これからますます活躍するだろう」と思われていた50代半ばで、個人にくる仕事も含めてインテリア関係の仕事はあっさり引退。東日本大震災がきっかけで始めたリユースの服を扱うチャリティショップを本格的にやるようになりました。

「私たちの世代がいつまでもいると、若いインテリアコーディネーターに仕事が回らないのよ。マンションや家を買うのは若い世代が多いから、若い人がやったほうがいいの」と言って。実際、他県に行った30代のコーディネーターから、「いまいる県では受注の大部分を50代以上で独占している」という声も聞かれるとか。

友人は「組織のなかで自分にしかできない仕事なんてない。だけど、そこから離れてみると、自然に自分にしかできないことが見えてくる」と言っていました。自分のことだけでなく、全体像を俯瞰して見る目も必要だと感じます。

40代50代はこれまでの実績、人とのつながり、立場など積み上げてきたものがあるので、いまいる場所でも働きやすい面もあります。しかし、その場所に執着すると、まわりとのズレに気づかなくなってしまう。政治や経済界などにも、そんな人があふれているように見えます。

とくに男性は早い段階から「一個人として社会に貢献すること」を考えておいたほうがいいと思うのです。50歳から個人で活躍している女性が目立つのは、柔軟性もありますが、結婚や育児の際に、それがなくても一度は組織から放り出されて、「自分はなにができるのか」と考えて動かざるを得ない機会があったからでしょう。

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