50代から「挑戦できる人」「できない人」の決定差 中高年世代こそ「逃げ恥」精神が超重要なワケ

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また、定年退職後に再就職した友人は、職場の人間関係でひどく悩んでいました。精神的に追い詰められていたので、「いざとなったら、辞めるという選択肢もある」と伝えたことがありました。私もブラック企業で働いていたとき、「いざとなったら、明日辞めてもいい」と考えることで、心を壊さなくて済んだからです。

しかし、彼は「いや、それはぜったいにできない。知り合いに紹介された職場だから」「辞めてもほかに仕事がないから」と頑なになるばかり。ついに半年後、メンタルクリニックに通院するほどになってから、やっと辞めたのです。

逃げ道を作ることは最悪の事態を避けること

家族の生活があるからと逃げ道をふさいで走ってきた人は、つらくても耐えることが当然であり、辞めることは「恥」「罪悪」と捉える傾向にあります。ほかの選択肢に目がいかず、「いまさら辞められない」「辞めたら後がない」と考えてしまうのです。

しかし、ほんとうに「自分の人生に対して責任がある」と考えるなら、不幸にならない、“逃げ道”を用意して、どんな状況でも生き抜けるようにしておいたほうがいいのです。ましてや、これまで家族や会社のためにがんばってきたのですから、人生の後半、つらい仕事を続ける必要はないではありませんか。

「逃げ道をつくっておくこと」は、最悪の事態を避けるためのものです。「最後はこれがある」という選択肢をもっておくのは、心の保険のようなもので、困難を乗り越えられたり、思い切った挑戦ができたりします。

起業や独立などは手ぶらか、小さな資金で始めることをおすすめしますが、どうしても必要な場合は、「月の収入が〇〇万円を切ったらやめる」「1年で芽が出なかったらやめる」など、限界線を決めておくと、前向きな撤退をすることができます。「失敗したらこうしてやり直す」という策があれば、安心して経営に集中できます。

50代60代の再就職も展開が読みにくいので、1年単位で挑戦し、頭の片隅に「辞めても〇〇がある」と考えているだけでも、気楽に踏み出せるのではないでしょうか。

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