50代から「挑戦できる人」「できない人」の決定差 中高年世代こそ「逃げ恥」精神が超重要なワケ

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40代、50代になると、「主体性」を回復したいという欲求も強まってきます。「もっと自分を出したい」「もっと自由にやりたい」というときに、会社のなかにいながらも、そんな“場”を自分でつくっていくことが大事なのだと思います。

青果市場に出向した銀行員

【会社内で主体性を取り戻す方法】として、次のようなものがあります。

1. 会社内で、だれもやっていないことをする

40代50代は立場も上がり、裁量も増えてきます。「組織内でだれもやっていないこと(隙問)」に目をつけると実現しやすく、自由にやらせてもらえる可能性大。

銀行から、青果市場に出向した友人がいます。彼はもともと「食」に興味があり、野菜ソムリエの資格をもっていたほど。嬉々として全国の野菜農家を飛び回り、有名レストランと直接つなげるという、これまでにない活動をしています。

「会社にお金を出してもらって、やりたいことを自由にやらせてもらえるなんて最高」と言っていましたが、会社にも利益があるので、実現できているのです。「組織が困っていること(弱点)」「組織でこれから必要になること(未来)」から「自分がやりたいこと・やれること」を探ってもいいでしょう。

2. 会社内でやっていることを、外の場所で試してみる

主体性をもった人は、組織の仕事をやりつつも、自分のスキルや知識が外でどの程度通用するのか、その可能性を探っているもの。それだけでも意味のあることですが、実際に外の仕事をやってみると、どうすれば価値が上がるのか、どうすればまた頼んでもらえるか、考えざるをえなくなります。

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3. 会社内の自主活動は見切りをつけて、ほかの活動をする

会社内で主体性を発揮する場がないときは、プライベートや副業などで自分を試してみるといいでしょう。ボランティアで子どもたちになにか教えたり、地域のチャリティ活動をしたり、単なる趣味ではなく、なんらかの“貢献活動”がおすすめ。

ある友人は「サラリーマンは家族を養うため」と割り切って、月2、3回、クラブでDJをしています。そんな場があるから、性に合わない会社員生活もなんとかやっているし、「定年後はなんとかなるでしょ」なんてお気楽に言っています。視野が広がれば、自然に自分にできることを見つけたり、自分で解決したりする主体性の“筋力”がつくのです。

組織のなかで主体性をもとうとしすぎると、葛藤もあるもの。なにも考えないほうが楽という人もいるかもしれません。しかし、自分なりの主体性の発揮の仕方を考えて悩んだり、希望を見つけたりすること自体に意味があると思うのです。

有川 真由美 作家

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ありかわ まゆみ / Mayumi Arikawa

鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。 化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。韓国、中国、台湾でも翻訳される。

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