「資産所得倍増プラン」唐突政策に浮かぶ2大問題 岸田政権は支離滅裂、格差は是正されず拡大する

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その結果、出てきたのが、富裕層の優遇策だ。格差は是正されるのでなく拡大する。

迷走を続けたあげく、結局は、当初とは向きがまったく逆になってしまった。

預金が減れば、長期金利が上昇するだろう

問題は以上のことだけではない。以下は、あまり議論されることのない点だが、重要だ。

第1は、マクロ経済への影響だ。

資産所得倍増政策の結果、家計が銀行預金を引き出し、それを株式や投資信託への投資に回したとしよう。

銀行預金から株式などへの移動額としては、相当の額が考えられているのだろう。そうであれば、以下に述べるようなマクロ経済的な変化を引き起こさざるをえない。

銀行としては、負債である預金が減るので、他の負債を増やすか、あるいは資産を減らす必要がある。

変化額が大きいので、国債を減らさざるをえなくなるだろう。

そこで、銀行は保有国債をマーケットで売却する。すると、国債の価格は下落し、長期金利が上昇する。

すると、国債発行の資金コストが上昇し、国は資金調達が困難になる。

また、円高への圧力が高まる。

現在日本銀行は、長期金利をゼロ%に維持することを金融政策の柱にしている。

上限を0.25%に設定し、それを少しでも上回ると、買いの介入をしている。それでも抑えきれず、円高になる。それでいいのだろうか?

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