懲戒解雇がどれだけ重い処分か知っていますか 規制厳しい日本でクビになるのはどういう時?

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普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の違いとは?(写真:tiquitaca/PIXTA)

金融機関の職員が顧客の定期預金をだまし取った。公務員が職場で同僚から集めたお金を横領した。学校で教員が生徒に暴力行為を働いた――。犯罪やそれに近い行為などを起こした人が、勤め先を「懲戒解雇」(懲戒免職)されたというニュースをよく見かけます。

解雇には順位や手続きが存在する

解雇は使用者(会社)による労働契約の解除を意味しますが、その中身を詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

解雇は「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇(懲戒免職)」の3つに分類されます。懲戒解雇(懲戒免職)はこのうち即時に雇用契約を切られ、予告手当や退職金もないなど、労働者にとっては死刑宣告を突き付けられたのと同じぐらい重い処分です。

いずれの場合も、「使用者がいつでも自由に行えるというものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、労働者をやめさせることはできない」(労働契約法第16条)と規定されています。そのため、使用者の一方的な都合や不合理な理由による解雇は認められません。

「普通解雇」は従業員に非行・違法行為がある場合、能力不足、業務が原因ではない傷害や病気による解雇が該当します。「整理解雇」は経営悪化により人員整理を行うための解雇です。一般的には「リストラ」と言われています。整理解雇の場合は、以下の4要件に当てはまることが必要です。

① 人員整理の必要性
② 解雇回避努力義務の履行
③ 被解雇者選定の合理性
④ 手続きの妥当性

整理解雇であっても、手続きの妥当性が問われます。正しい手続きを踏まない限り無効とされるからです。そのため、人員整理の対象はまずは非正規社員に向かいます。非正規社員は、契約期間が過ぎてしまえば労働者でなくなるからです。パートも同じで、短期契約期間が満了すれば更新される保証はありません。

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