懲戒解雇がどれだけ重い処分か知っていますか 規制厳しい日本でクビになるのはどういう時?
離職票は、雇用保険などの切り替えにも必要になるので告知をしなくても判明します。真実を知っていたら採用されなかったであろう重大な秘匿は解雇が有効とされる判例が多くあります。懲戒解雇になると、その後のキャリア形成は困難になります。どんなに優秀でも、「罰有り」の人材を採用する会社は少ないでしょう。
あなたの会社は大丈夫ですか
上場企業や大手に分類される企業は就業規則や人事制度が整備されています。しかし、中小や零細企業の場合、適切な運用がされていないことが多く、経営者や人事担当者の認識が乏しいと悲劇を生む場合があります。
「お前はクビだ」みたいなセリフを耳にすることがあると思います。雇用主が気に食わない従業員だけを解雇しようとしたような場合は、解雇は無効となります。整理解雇をしながら、直後に同じ属性の人材を採用したような場合も無効になる可能性が高いといえます。
ここで、実際に発生した事例を紹介しましょう。都内の編集プロダクションに勤務する山田卓史さん(仮名)は、制作部門のスタッフとして勤務していました。ある日、社長に呼ばれ、「会社の業績が悪いのでリストラを行う。君を含めて何人かに辞めてもらう。これは役員会の決定事項だから拒否はできない」と、突然退職勧奨を受けました。
山田さんは、回答を保留し継続的な話し合いを社長に求めました。ところが社長は忙しいことを理由に話し合いを拒否します。時期はすでに期末に差し掛かっていたため、なし崩し的に解雇されることを予見した山田さんは弁護士に交渉の依頼をしました。
これを知った社長は激高し懲戒解雇を強行します。懲戒解雇の理由は業務命令違反でした。「会社としていまの仕事は認めない。業務命令を守らないのだから懲戒解雇に該当する」という理由です。これは不当解雇にありがちなケースですが、懲戒解雇に踏み切った結果、「しまった。懲戒解雇はまずかった!」ということが多いのです。
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