懲戒解雇がどれだけ重い処分か知っていますか 規制厳しい日本でクビになるのはどういう時?

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過去の判例では「非正規社員は正規社員より先行して解雇される」ことが明示されています。正社員を整理解雇するためには、「非正規従業員の解雇を先行させなければ解雇権の濫用にあたる」とする判断が示されているのです。

「正社員は解雇できない」という話を聞いたことがありませんか。「解雇できない」のではなく「解雇の順位が存在する」ということです。解雇対象者の順位は、「純粋なパートタイマー」 → 「定年後再雇用者」 → 「常用的パートタイマー」 → 「常用的臨時工」 → 「正社員」の順位になります。

懲戒解雇と諭旨解雇の違い

「諭旨解雇」は特殊な位置づけです。懲戒解雇に相当するか、それよりも少し軽い非行・違法行為があった場合に、懲戒解雇を回避するために温情的に自主的に退職を求めるものだからです。「依願退職」という扱いになるのが一般的です。懲戒解雇は労働者にとって死刑判決ですが、諭旨解雇は使用者と労働者の双方が話し合い解雇処分を受け入れるものです。

諭旨解雇であれば退職金が支払われることがありますが、懲戒解雇の場合は退職金などは支給されません(退職金規程の記載が必要)。公務員は雇用保険に加入しないため、失業保険の給付もありません。懲戒免職処分を受けた日から2年間は、国家公務員もしくは当該地方公共団体の地方公務員として就職することができません。

一般企業への就職も困難を極めます。懲戒解雇の場合は「罰有り」と記載しなければいけません。刑事罰に当たらない限り、「罰有り」にならないとする専門家の意見があります。筆者はこれまで、いくつかの労働審判や労働委員会に出席したことがありますが、重責解雇の場合は「記載すべき」とする専門家もいますので解釈がわかれるところです。

重責解雇とは労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇です。その場をうまくしのいだとしても、告知義務違反として経歴詐称で解雇理由に該当する場合があります。さらに、履歴書未記入で面接時に説明しなくても離職票に「重責解雇」と記載されますので再就職は困難になります(離職理由の番号でほぼ100%特定できます)。

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