調味料マニアの私が「塩」しか買わなくなった理由 「砂糖、酢、醤油、味噌」はどうしているのか?

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で、これだけでも十分我ながら「すごい」と思うんだが、ここからさらに「第二革命」が起きたのでありました。

万能調味料「梅酢」は梅干し作りの副産物

きっかけは「梅干し」と「味噌」を手作りするようになったことである。これも、人にそう言うと「すごい」とか「丁寧な暮らし!」とか言われるが、そんな大した決意があったわけでもなんでもない。

梅干しは、たまたま和歌山のカッコイイ梅農家さんと知り合いになり、梅に対する熱い思いを伺ううちに、調子に乗って「その梅食べてみたい~」などと口走ってしまったがゆえに、以後毎年大量の梅を取り寄せることになり、梅干し作りが否応なく毎年の恒例行事となった。

で、どうせ作るなら手間は一緒だからと10キロ近く作ることになり、それはいいんだが、梅干しを作るともれなく「梅酢」というものが大量にできてしまうということに気づいたのである。

梅酢。知らない人も多いと思うので説明しますと、梅干しって要するに梅の塩漬けで、梅とたっぷりの塩を混ぜて重しを乗っけておくと、梅から水分が大量に出てくるんです。この水分が「梅酢」。味としては、塩と梅の成分が混じっているので、しょっぱくて酸っぱい。梅干しが液体になったようなものと想像していただければほぼ間違いない。

で、この大量の梅酢をどんどこ使わないと、半分も使い切らないうちに次の梅干しのシーズンが来ちゃう。うかうかしていたらわが台所の狭すぎる収納庫がぎっしりと梅酢で埋め尽くされるのである。なので、とにかく隙あらば料理に梅酢を使う生活が始まった。

で、使ってみれば案外具合がいいのである。味付けって塩味と酸味がつくとゴマかせるというか、大体ぱちっと決まるんですよね。万能調味料として注目されているポン酢に近い感覚でしょうか。ってことで、野菜炒めも梅酢、サラダも梅酢、酢飯も梅酢、煮物も梅酢……と、何を作るにも、何も考えずただ梅酢を適当にジャッと入れるだけという超手抜き料理が次第に定番化して今に至るのである。

尊敬する醤油作りをしている友人がいるので買いたい気持ちは大きいのだが、結果的に醤油を使う余地がまったくなくなってしまった。

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