「チョコレート効果」長期低迷⇒躍進の意外な裏側 1998~2014年はお荷物、粘りの健康志向が結実
このヒットが業界全体に影響を与え、今は、健康をイメージさせるチョコレートが花盛り。日本で販売される「高カカオチョコレート」は、10年前の約14倍にまで膨れ上がった。
新しい潮流だからこそ、注意したい点もある。例えば、「高カカオ(カカオ70%以上など)」は、砂糖の摂取を控える目安になるが、「高ポリフェノール」とは限らない。カカオ分のパーセンテージ表示には、ポリフェノールをほとんど含まないカカオバター(カカオ由来の油脂)も含まれるからだ。カカオバターを多めに使えば、チョコレートはマイルドで食べやすくなるが、抗酸化作用があるポリフェノール量は少なくなる。
使われるカカオによってポリフェノール含有量は大きく異なる。今後、健康をイメージさせるチョコのパッケージには、カカオ分に加えて、ポリフェノール量や、カカオバターの割合など、より具体的な表記が求められるようになるかもしれない。また、チョコレートは万能薬ではない。個人の体質や健康状態に合わせ、適量を適切に味わうことも大切だ。
文化として定着するには15年以上
「ブームやトレンドでなく文化として定着するには、15年以上かかるものなのだなと、今は実感しています」と、新田さんは振り返る。
チョコレートの原材料「カカオ」と人類は約5300年ものつきあいがあり、古の時代、チョコレートは高価で、健康に寄与する飲み物だった。時代は移り飽食の現代。時を超えてまた、人々はチョコレートに、おいしさとともに健康のための要素を求めはじめている。
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