関越道の立ち往生で脚光、「岩塚製菓」の実像

40年前に台湾・旺旺集団と提携、高配当で恩返し

関越自動車道で立ち往生した車のドライバーに配られて、評判になった岩塚製菓のお菓子(写真:岩塚製菓)

12月16日からの大雪により、関越自動車道では最大2100台の車が2日間にわたって立ち往生した。その渦中に注目されたのが、おせんべいやおかきなどの製造を行う、ジャスダックスタンダード上場の岩塚製菓(本社:新潟県長岡市)だ。

委託先配送トラックの運転手が同社の同意を得て、積み荷のお菓子を周囲のトラックに配布。実際に受け取った別のドライバーがSNS上にエピソードを公開したことで注目された。

同投稿には「これまで以上に岩塚製品の商品を食べます」など同社の行動に対して好意的なコメントが並んでおり、同社にも直接、電話やメールを通じて応援のメッセージが届いているという。同社の竹部雅伸総務部長は「中には『正直今まで知らない会社だったけど、これから買います』という声も多かった」と、大きな反響に驚きを見せる。

国産米100%の米菓で差別化

岩塚製菓は新潟県長岡市に本社を置く米菓メーカーで、「田舎のおかき」や「味しらべ」などの米菓を主力製品として持つ。売上高や市場シェアでは同じく新潟に本社のある「柿の種」の亀田製菓や、「雪の宿」の三幸製菓の次に位置するが、国産米を100%使用することで他社との差別化を図っている。

近年では主力ブランドを強化させ、商品数を絞り込むことで生産性を向上させている。商品数は2017年から2019年の3年間で約15%削減。同時に新たなターゲット層の取り込みにも注力しており、2018年に期間限定で発売した「バンザイ山椒」は、パンチの効いた味やネーミングが20代を中心とする若年層世代に受け、SNS上で話題となった。

また百貨店などにも並ぶ贈答用ブランドもあり、「瑞花」というブランドでは東京・銀座に路面店を構えている。

さらに特徴的なのが、収益の構造だ。2020年3月期の業績を見ると、本業による利益を表す営業利益が1億7000万円であるのに対し、経常利益は25億5000万円。営業外収益として22億8000万円の受取配当金が計上されているのだ。

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