「チョコレート効果」長期低迷⇒躍進の意外な裏側 1998~2014年はお荷物、粘りの健康志向が結実

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すると、血圧低下、HDL(善玉)コレステロール値の上昇や、認知症予防の可能性が注目されるBDNFの上昇などが認められた。この結果が2015年にメディアで広く報じられ、研究に使われた「チョコレート効果」が、注目を集めるようになる。低迷の一途をたどっていた売り上げは2015年に、2010年頃の約10倍にアップ。シーン別のサイズや種類を増やし、2020年には、200億円を超える大ヒット商品にまで成長したのだ。

大袋がヒット、低GIへの注目も

「チョコレート効果」の特徴は、サプリのように、継続して食べる人が多いことだ。コロナ禍を機に、大袋の需要がアップ、今は全売り上げの4割を占める。「買い物の頻度を減らしたいという傾向も現れています」(新田さん)。もちろん毎日食べるなら、割安な大袋を買いたい人も多いだろう。

「チョコレート効果」には、カカオ72%、86%、95%がある。売れ筋はカカオ72%。(筆者撮影)

50代以上がメイン層だが「小さめサイズのパウチや箱入りは、会議の前に、あるいは仕事や勉強中のお供にという、比較的若い方の購入が多いです」と新田さん。「ギルティフリーなおやつを」という女性の支持もあるそうだ。

コストコには限定1410gの大袋入り箱(画像:明治)がある。小さなパウチ入りや、ナッツ入り商品も(著者撮影)

また、近年は「糖質を摂りたくないけど、チョコは食べたい」というニーズがあり、低糖質や低GIの商品を求める消費者が増えた。「チョコレート効果」はGI値が29と低めなので、血糖値の上昇を抑えたい人が注目し、食生活に組み込んでいる事例もあるという。

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