最新作「ストレンジャー・シングス4」‟重圧"事情 Netflixにとって「失敗が許されない作品」だ

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SF映画の金字塔「E.T.」や少年少女の名作映画「グーニーズ」から影響を受けた世界観に、1980年代カルチャーを再現した音楽やファッション、そして架空の田舎町「ホーキンス」で起こる超常現象ミステリーの魅力が相まって、ビンジ・ウォッチング(binge watching)=一気見ブームの火付け役ともなりました。もちろん、賞レースでも勝ち組です。エミー賞をはじめとする数々の賞で175以上のノミネートと、65以上の受賞に輝いています。

超能力少女イレブン役のミリー・ボビー・ブラウンは今や売れっ子だ(写真:Netflix)

本作が出世作となった俳優も多数います。超能力少女イレブン役のミリー・ボビー・ブラウンはその1人。2019年公開のハリウッド版「ゴジラ」の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」でスクリーンデビューし、2022年4月には超有名ブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のブランド・アンバサダーに就任するなど、活躍の場を広げています。

そもそも、シーズン1が配信された当時、主役級のハリウッド俳優は元お騒がせ女優のウィノナ・ライダーぐらいでした。物語の中で象徴される「裏側の世界」に息子を奪われたシングルマザーのジョイス役を好演し、ウィノナにとっては完全復活作にもなっています。

ウィノナ・ライダーは絶対に諦めない母親ジョイス役を好演(写真:Netflix)

まだまだ人気の勢いを止めるわけにはいかない。加入者増と株価の回復のきっかけにもつなげたい。これは筆者の勝手な想像によるNetflixの心の声ですが、プロモーションの力の入れようからそんな気概が伝わってきます。「ストレンジャー・シングス4」お目見え当日は東京・渋谷のスクランブル交差点を含む世界15のランドマークで「裏側の世界」をつなぐゲートを出現させる大規模演出まで行われました。

1エピソード約38億円の制作予算

肝心の中身はというと、シーズン3の「スターコート・バトル」から6カ月後の設定で、高校生になったイレブンたちの姿から始まります。ヒューマン、ホラー、アクション、コメディーを融合したバランスのよさに変わりはありませんが、ヒットドラマあるあるの1話あたりの予算は大幅に上がっています。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、1話3000万ドル、日本円換算で約38億円もかけられています。

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