劇団ひとりが7年越しで映画化
Netflix 日本発オリジナル映画『浅草キッド』が好調な出だしです。12月9日に全世界同時配信されたその週のNetflix人気映画TOP10ランキングで国内トップを飾りました。“世界のキタノ”と呼ばれるビートたけしの原点を描いた青春映画をいち早く楽しんだNetflixユーザーは多い様子です。一方、グローバル集計のランキング10位内には残念ながら届かず。TOP10ランキングに登場した国は日本だけという結果でした。国内と海外で乖離があったのはなぜなのでしょうか。
本作はビートたけしの自叙伝『浅草キッド』を原作に、7年も前から映像化を探っていた劇団ひとり自ら脚本を書き、監督も務めて、ついに映画化されたものです。国民的人気の大泉洋と、カンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を史上最年少で獲得した柳楽優弥がW主演し、「幻の浅草芸人」と呼ばれていた伝説の芸人・深見千三郎を大泉が、若き日のタケシを柳楽が演じています。柳楽のタケシは本人に似すぎ?と思ってしまうほど。黒いスーツで決めた約50年後の姿を演じるシーンもあり、もうそれは本人と見間違えてしまうぐらい正確に捉えています。ものまねタレントの松村邦洋が指導し、忠実なキャラクターが作られているのです。
大泉と柳楽が初共演し、昭和40年代の浅草を舞台にしたビートたけし誕生物語をNetflixで映画化。パワーワードが並ぶこの触れ込みだけで日本市場では興味・関心を高めます。海外でも映画監督の北野武として知られているのはもちろんのこと、往年のバラエティー番組『風雲!たけし城』が『TAKESHI'S CASTLE』のタイトルでアジア各国をはじめ、イギリスやサウジアラビアでも親しまれています。あの成功した日本人の下積み時代を描いた映画だと紹介されれば、十分に視聴を促してくれそうです。
本編が始まると、まず目に飛び込んでくるのは、昭和40年代当時の浅草六区周辺を限りなく再現した風景です。舞台美術にこだわり、歴史もの作品がお得意のNetflixらしさが色濃く出ています。物語の世界観を表現するためなら制作費を投じることを惜しまない。そんな気概が本作から伝わってきます。
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