各地で増える「Suica対応」ローカルバスの利便性 岩手沿岸中部を走るバスは種類が多い・山田編

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1982年まで船越半島の高台に国民宿舎「タブの木荘」があり、バスの終点も国民宿舎だったが、営業終了ともに短縮されている。船越半島を一周する定期観光船もあったが、利用客の減少で1997年に消えたそうだ。

岩手県北バス田の浜行き(筆者撮影)

船越駅前から田の浜までは12分ほどで近く、150円。岩手県北バスは2022年2月19日に地域連携ICカード「iGUCA(イグカ)」を導入しており、Suicaなど全国相互利用サービス対象の交通系ICカードも利用可能であった。ローカルバス路線にも近年、ICカードは次第に広まっている。都会の住民にとっては、ふだんどおりのバスの乗り方ができるのがありがたい。

田の浜は、海岸から少し離れた高台に整然と住宅や商店が並んでいる、ちょっとした町だった。ただし建物は新しくなく、古くから繰り返し津波に襲われた結果、出来上がった街並みだ。ここまで来るバスは、平日は12往復ある。また、盛岡駅前―宮古駅前の長距離バス「106急行」のうち、平日2往復、土休日1往復は盛岡駅前―船越駅前間を直通する。この地域のバスの利便性は、比較的高い。

さまざまなバスの姿を見る

先を急ぐ必要はなく、9時40分発の宮古駅前行きまで田の浜を散歩。すると「まぢづけぇ号」と大書したマイクロバスが通り過ぎていった。続いて「やまだコミバス」も通る。少々面食らって、帰宅後、調べてみると、前者がNGOと山田町社会福祉協議会が主体になって無料で運転している買い物支援バス。後者が山田町が町内各地へ向けて、1乗車200円で運転しているコミュニティバスで、たまたま月・木曜日は田の浜・山の内線の運転日であった。

田の浜を走るまぢづけぇ号(筆者撮影)
同じく田の浜を走るやまだコミバス(筆者撮影)

これらはいずれも、山田町の中心部の商業施設や病院などへ向かうのに便利なダイヤ設定になっており、地元の高齢者などの利用を想定している。

山田町の資料によると、コミュニティバスはもともと通院専用の患者バスで、2021年10月1日より利用目的を限定しない一般的なコミュニティバスに再編成された由。ただ、岩手県北バスとは運転経路がかなり重なっている。町内の需要に特化して病院にも順に立ち寄るなど、きめ細かく応じているバスと、広域的な需要にも応じる民営路線バスの違いと理解しておこう。

こちらは宮古駅前行きに1人だけで乗り、道の駅やまだまで戻る。山田町内で海岸沿いを走る路線バスは他に、船越半島の北側、山田湾沿いにある大浦へ入る系統(大浦線)と、重茂半島の南側、浜川目までの系統があるので、順に乗ればいい。

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