各地で増える「Suica対応」ローカルバスの利便性 岩手沿岸中部を走るバスは種類が多い・山田編

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ただ、大浦漁協前行きは、道の駅やまだにほど近い長林を11時42分に出る便が“始発”だから、時間を持てあます。やはり朝、買い物や病院に出かけた人が戻ってくる頃合いではある。やまだコミバスも、月・木曜日は大浦へ入っており、さらに半島を横断して小谷鳥まで行くが、これも小谷鳥側から山田町の中心部へ向けて1往復するだけのダイヤ。地元住民以外も乗れるとはいえ、どうにもならない。

岩手県北バス大浦漁協前バス停(筆者撮影)

大浦も、山田湾からさらに切れ込んだ小さな湾の奥の漁港と、やや小高いところにある集落という、三陸によくあるパターン。途中の道もカーブが多い悪路だが、マイクロバスやワゴン車と違って路線バスは安定感がある。3人だけ乗せて、11時54分に大浦漁港前着。運賃は240円。折り返し12時発の山田駅前行きに乗らないと、次は15時45分発になるので、わずか6分の滞在に終わる。

通学バスも走る山田町

筆者だけを乗せたバスは来た道を戻るが、ふと気がつくと、後ろを白いバスが追いかけてくる。山田町が運転しているスクールバスで、統廃合が進んだ小学校、中学校の生徒を合計13台のバスで運んでいるそうだ。この後、何回も見かけた。

山田町のスクールバス(筆者撮影)

登下校の時刻が重なるため、どうしても朝夕に集中してバスを走らせなければならず、バス、運転士とも“数”が必要なのだ。岩手県北バス大浦線も、朝の山田駅前行き1本のみ大浦小学校始発になっているが、これも中学生の輸送のためである。

まだ始業式早々の短縮授業の時期だったのか、お昼下がりの長林のバス停でも4、5人の生徒が固まっているのを見かけたが、路線バスには見向きもしない。こちらは淡々と国道を進み、山田病院に立ち寄る。ここの隣が山田中学校で、スクールバス運行の拠点となっている。

岩手県北バス浜川目バス停(筆者撮影)

陸中山田駅前に12時24分に到着。残るは浜川目までの系統だが、最初は岩手県北バス山田町内線の時刻表を見て、1日2往復のみの運転、次の便は山田駅前16時18分発かと思い込んでいた。しかし「山田町まちなか循環バス」の時刻表をインターネット上で見つけ、浜川目へは山田駅前14時30分発もあるとわかった。2時間ほどの待ち時間で済む。

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