価格299万円~、新型ステップワゴンに漂う安心感 オラオラ系全盛の今、スッキリ系ミニバンは?

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新型ステップワゴンの走行シーン(東洋経済オンライン編集部撮影)
新型ステップワゴンの走行シーン(東洋経済オンライン編集部撮影)

より具体的には、ダッシュボードやサイドウインドウのベルトラインを水平基調とし、クルマの操作時にそれらが目安になりやすいようにした。また、ボンネットフードは、端ができるだけ見やすい形状とすることで、障害物との距離をつかみやすくしている。加えて左右のフロントピラーの位置や形状も改良。70mm手前に移動させ、三角窓の造形も変更することで、交差点などの右左折時でもピラーが視界を遮りにくい形状を実現し、横断歩行者の存在を認識しやすくしている。

新型ステップワゴンの走行シーン(東洋経済オンライン編集部撮影)
新型ステップワゴンの走行シーン(東洋経済オンライン編集部撮影)

これらについても、実際に試乗してみることで、改良点の効果を実感した。例えば、今回のコースには、狭い路地を右にUターンする際、車体先端が道路端の街路樹ぎりぎりを通るルートがあった。その際、ちょうどボンネットフードの左側プレスラインが定規のような見え方をし、街路樹との距離がつかみやすかったのだ。

ほかにも、交差点を右折する際、歩道橋がある歩道に歩行者に見立てたパイロンを設置したコースがあった。そこを通過する際、パイロンの存在はフロントウインドウから三角窓、サイドウインドウまでずっと視界の隅に感じられたことで、死角が少ないことも体感できた。さらに、フロントウインドウからの視界に、高いワイド感や開放感を持つことも実感できた。水平基調のダッシュボードなどが生むこれら効果は、最近のホンダ車、フィットやヴェゼルなどにも共通したもので、運転者や助手席のパッセンジャーが、ドライブなどで周囲の景色を楽しみながら走行できることがうかがえた。

先行予約ではスパーダが半数以上と販売を牽引

新型ステップワゴン スパーダのリアビュー(東洋経済オンライン編集部撮影)
新型ステップワゴン スパーダのリアビュー(東洋経済オンライン編集部撮影)

新型ステップワゴンは、2022年1月7日のジャパンプレミアで概要やスタイルなどが発表された後、同年2月4日より販売店などで先行予約受け付けが開始された。受注台数は、今回の試乗などの取材を行った4月28日現在で約1万5000台。そのうち、e:HEV車が66%、ガソリン車は34%と、ハイブリッド車のほうに人気が集まっている。また、グレード別の受注比率は、エアー16%、スパーダ53%、プレミアムライン31%だ。

ホンダの広報担当者によれば、ハイブリッド車とガソリン車の比率は、ほぼ予想どおり。他モデルでも近年は、ガソリン車よりハイブリッド車のほうが売れ行きのいい傾向があり、新型でもユーザーは同様の反応を示しているようだ。だが、意外だったのはグレード別でエアーの比率が低いことだ。当初の同社予想では、エアー30%、スパーダ65%、プレミアムライン5%。だが、実際はエアーが想定以上に苦戦している反面、プレミアムラインは予想外に受注状況がいい。

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