価格299万円~、新型ステップワゴンに漂う安心感 オラオラ系全盛の今、スッキリ系ミニバンは?

✎ 1〜 ✎ 90 ✎ 91 ✎ 92 ✎ 最新
拡大
縮小
2列目および3列目シート(東洋経済オンライン編集部撮影)
2列目および3列目シート(東洋経済オンライン編集部撮影)

新型の3列各シートは、座る高さに工夫を施していることも特徴のひとつだ。運転席を基準に、2列目を40mm、3列目を90mmそれぞれアップさせることで、後席ほど着座位置が上がるような設定となっている。また、水平なベルトライン(サイドウインドウの下端)を採用することで、後席から前方や両サイドをより見やすくしている。可能なかぎり後席の視界を広くする演出により、後席乗員、とくに3列目に乗るユーザーが乗り物酔いなどをしにくい効果を生むという。

十分な広さと乗り心地を実現した3列目シート

2列目と3列目シート(東洋経済オンライン編集部撮影)
2列目と3列目シート(東洋経済オンライン編集部撮影)

実際に市街地を想定したコースで、ホンダの担当者が運転し、3列目シートに座ってみた。コースは、40km/h程度で走る直線や右左折のUターン、ゆるいコーナーなどがあったが、いずれの状況でも、かなり視線が高く、フロントウインドウから前方が見やすい。また、従来モデル比でシートクッション厚を最大21mm、シートバックは高さを45mm上げ、最大16mm厚くしたことで、座り心地も良好だ。さらに新型はリアサスのストローク量を増やし、減衰力の設定も見直している。そのため、路面のギャップなどによる突き上げ感も、多少は感じるもののマイルドな印象だ。

今回の試乗は、あくまで市街地を想定したコースのため、高速道路など速度域がより高い状況ではわからないが、少なくとも街乗りレベルなら、長距離移動でも疲れにくいことが予想される。なお、3列目シートは、従来モデルと同様に床下収納が可能だ。3列目を格納し、2列目シートを最前端にスライドさせれば、フラットな床面がさらに広がり、容量1395L(ベンチシート仕様車は1463L)の荷室に拡大することができる。

エアーとスパーダで異なる2列目シート

2列目シート(東洋経済オンライン編集部撮影)
2列目シート(東洋経済オンライン編集部撮影)

次に2列目シートに座って、同様のコースを試乗した。エアー、スパーダのいずれも、シートのホールド感が良好で、市街地レベルの速度域ならコーナーで体が傾くなどの挙動はない。2列目シートはフロントシートと位置が近いため、当然ながら3列目シートほど前方視界はよくない。だが、水平なベルトラインによりサイドウインドウからの眺めは良好だ。一方、快適性の面では、「オットマン」を備えるスパーダ(エアーは未設定)のほうが断然よかった。両脚を長く伸ばし、背もたれをリクライニングさせれば、まるで高級なソファに座ったような感覚で、走行中に眠くなってしまったほどだ。シートなど内装の高級感もスパーダのほうが高い。エアーの全体的に明るくカジュアルな感じもいいが、室内でラグジュアリーな雰囲気を味わいたいのであれば、スパーダのほうがおすすめだ。

次ページ多彩なシートアレンジも魅力的
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT