これについて、ホンダ広報担当者は、こう分析する。まず、エアーの受注が少ない点については、「残価設定クレジットなどのローンで購入する場合、月々の支払いがスパーダとエアーではあまり変わらないことが要因ではないか」という。月々のローン代に大きな差がなければ、パワーテールゲートやオットマンなど、装備がより充実したスパーダを選ぶユーザーも多いという。
また、プレミアムラインの価格帯は346万2800円~384万6700円。スパーダの325万7100円~366万3000円、エアーの299万8600円~340万4500円と比べると、全グレード中で最も高い。だた、ホンダ車に限らず、他メーカーも含めた複数の販売店からは、よく「最近は買い替え時のリセール価格を考えて、車体価格がある程度高くても最上級グレードを選ぶユーザーも多い」と聞く。プレミアムラインの受注が好調な背景には、こうしたユーザー志向も影響しているかもしれない。
ミニバン1位へ返り咲きなるか
筆者の個人的な印象では、外観デザインなどは、シンプルなエアーにも十分に魅力があると思う。新型の特徴であるカタマリ感が最もよく表れている。また、大ヒットした1代目や2代目に一番近いフォルムだと感じることで、当時を知る筆者としては懐かしさも覚える。先行予約受け付け段階では、販売店に展示車や試乗車がなく、予約を入れたユーザーは、あくまで公式サイトなどの写真を見ただけだ。正式発表がなされた今、これから販売店に実車が並べば、もう少しエアーに対するユーザーの反応も変わるかもしれないが、果たしてどうなるかは今後注目だ。
ホンダのミニバンは、最上級モデルの「オデッセイ」が生産終了となり、現在販売されているのはコンパクトサイズの「フリード」とステップワゴンのみだ。他メーカーにも競合モデルが多く、熾烈な競争を繰り広げる同ジャンルで、新型ステップワゴンに市場が今後どのような反応を示すのが、とても興味深い。果たして、ホンダの思惑どおり、かつての「ミニバン1位」という王座へ返り咲けるのか、正式発売となったこれからが正念場だ。
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