二兎追い二兎を得る「創造力」が抜群な人の思考法 トレードオフの課題解決は「創造」で溢れている
AIやVUCA (Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityの略。先行きが不透明で予測が困難な状態)、DXなどがキーワードとなる現代において、創造力が重要だと言われている。
しかし、創造力を発揮することに苦手意識を持っている人は多く、後天的に鍛えることはできないと諦めている人も多い。
そこで、今回は誰でも今日から創造力を鍛えることができる2つの思考トレーニングの方法を説明したい。
紹介する方法は「リラックスして頭を空にして……」といったよくある抽象的なものではなく、極めて具体的な思考方法だ。
トレードオフの課題は「創造」があふれている
思考トレーニング①:トレードオフの課題やニーズを意識する
一般的に、人はトレードオフの課題が出現した場合に「厄介な問題だな」と感じる。そして、両方の課題それぞれを解決した場合を予想し、より効果的な一方の課題を解決しにいくものだ。
一方、イノベーターの場合は三度の飯よりトレードオフの課題やニーズを同時に実現するための解決方法を考えるのが好きだといわれる。そう、トレードオフの課題やニーズは「創造」であふれているからだ。
例えば、P&GをV字回復させた偉大な経営者であるA・G・ラフリー氏も「私は二者択一というやつが嫌いなんだ」と語り、「OR思考」ではなく「AND思考」を大事にしていたと言われている。
また、イノベーションの例としてよく挙げられるソニーのウォークマンは、「移動したい」というニーズと「音楽を聴きたい」というトレードオフのニーズを解決したことが、大ヒットした要因だったと言われる。
当時はまだ、音楽をカセットテープなどで特定の場所で聴くということが常識だったため、移動しながら音楽を聴くことは、人々が無意識に諦めているトレードオフのニーズだったのだ。
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