「自分本位な人」と相手の立場で話せる人の差 コミュニケーションは「どう伝わったか」が全て
店員A、B、Cの説明のどれがよいのかは、相手によって変わりますが、とかく、コミュニケーションで起こりがちなのは、店員Aのパターンです。
なぜならば、事実を伝えることは、自分が持っている情報をそのまま伝えればよい内容で簡単だからです。一方で、店員Bや店員Cのように、評価や意味合いに踏み込もうと思ったら、事実を起点に、一手間かけて、思考の範囲を広げたうえでないとコメントできません。
コミュニケーションは、相手に伝わって初めて意味があるもの。自分が持っている情報だけを伝えるのではなく、相手にとって意味のあるメッセージに換えてコミュニケーションできるようになりましょう。自分が伝えたいことが出てきたら、「自分と相手、一人二役で会話のキャッチボールを複数回繰り返すようにしましょう」。
相手にとって意味あるメッセージにする3つのポイント
② 相手の視点で、①で自分が言おうとしていることを相手が聞いたとしたらどんなことが頭に浮かびそうかを考え、問いの形で表現する
③ 自分の視点に戻して、②で相手の立場で頭に浮かんだ問いに応えるメッセージを考える
これを複数回、繰り返します。具体的に、先の例で考えてみましょう。
① 自分の言いたいことは、「パソコンは、800g」です。
② 相手の視点で考えましょう。「パソコンは、800g」と聞いたとき、どのようなことが頭に浮かびそうかを考えてみましょう。たとえば、「800g と言われてもそれは重いのか軽いのか?」が想定できます。
③ 自分の視点に戻します。②で想定した問いに応えると、「パソコンは、軽い(もしくは重い)」となります。
さて、ここからは2周目です。
① 自分の言いたいことは、「パソコンは、軽い」。
② 相手の視点で、たとえば、「軽いと何がよいの?」。
③ 自分の視点に戻して、「持ち運びが楽」。
このように伝えたいことが出てきたら、そのメッセージを受け取った相手がどのように感じるのかを丁寧に考えましょう。実際には、1つの発言に対しても、相手の視点から複数の問いが考えられます。また、何が本当に相手の頭に浮かぶかはわからない状況です。
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