「自分本位な人」と相手の立場で話せる人の差 コミュニケーションは「どう伝わったか」が全て
『入社1年目から差がつく ロジカル・シンキング練習帳』を上梓した、日本最大級のビジネススクール、グロービス経営大学院で教鞭を執る岡重文氏が、ビジネスにおけるコミュニケーションでいちばん重要な点を解説します。
何を伝えたら相手のためになるか
人は、とかく自分の知っていることや自分の話したいことを伝えがちです。ただ、それは、必ずしも相手が聞きたいことではありません。そして、コミュニケーションは、どう伝わったかがすべて。では、相手の立場からメッセージを考えるためには、どうしたらよいのでしょうか。例を用いながら解説していきます。
家電量販店に、あなたはパソコンを買いに出かけました。同じパソコンについて、3人の店員が説明をしてくれました。
店員A「このパソコン、重さは800gで、8時間使えます」
店員B「このパソコン、軽くて、バッテリーも長持ちします」
店員C「このパソコン、持ち運びが楽で、外でも使えます」
さて、3人の店員のメッセージの違いは、何でしょうか。
店員Aは、「事実」を中心に説明をしてくれています。重さ、使える時間が数字と一緒に語られています。
店員Bは、「評価」にまで踏み込んで説明をしてくれています。単に事実を述べるだけではなく、それがよいことなのか、あまりよくないことなのか、ここでは、「800g」を「軽い」、「8時間」を「長持ち」と、事実を良しあしの情報に変換してくれています。
店員Cは、「評価」からさらに一歩踏み込んで「相手にとっての意味合い」について言及しています。「軽い」から「持ち運びが楽」、「長持ち」だから「外でも使える」と、相手の利用シーンをイメージしてコメントしています。
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