「自分本位な人」と相手の立場で話せる人の差 コミュニケーションは「どう伝わったか」が全て

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しかし、この手順を複数回踏むだけでも、自分の伝えたいことだけを自分目線で伝えてしまうリスクは下がります。逆に、相手の関心に沿ったメッセージになる可能性は格段に上がるでしょう。

話が上手な人も愚直な準備をしている

最後に、このアプローチのメリットについて、確認しておきましょう。

1つめは、ここまでやってきたことですが、相手の視点を意識することで、自分の言いたいことを相手にとって意味のあるメッセージに換えることができるという点です。

2つめは、自分の言いたいことを自分でチェックできること。「会話のキャッチボールの全体像」に対して、自分のメッセージに対しては「前向きなツッコミ」を、相手の問いに対しては、「問いの意味合いを吟味」することができます。それらができると、ほかに考えておかなければならないポイントが判明します。キャッチボールの全体像を俯瞰し、自らチェックを入れることができたからこそみえてくる視点です。

そして、3つめが、学習が効くため、次につながりやすいという点です。事前にこの「キャッチボール」をして、コミュニケーションに臨んだ場合は、結果がどうであれ、何が想定と同じだったのか、逆に何が違っていたのかをしっかりと振り返ることができます。

一方、何の準備もせず、丸腰で臨んだ場合は、持ち帰るものは何もありません。話がうまい人も、最初からうまかった人はまれで、実はこういった愚直な準備をして経験を重ねてきているものです。

出所:『入社1年目から差がつく ロジカル・シンキング練習帳』

伝えたいことがあったら、それに対して、自分が言おうとしていることはどのように受け取られるのかを相手の視点で考え続けること。これを繰り返すことがコミュニケーション力を強化していく近道です。

岡 重文 グロービス経営大学院教授

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おか しげふみ / Shigefumi Oka

京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了。工学修士。大手情報システム会社、コンサルティング・ファームを経てグロービスに入社。企業研修担当、eラーニング事業の立ち上げに関与したのち、経営管理本部で、情報システム部門ならびに人事・総務を統括。現在はファカルティ本部で「クリティカル・シンキング」「ビジネス定量分析」「テクノベート・シンキング」等のコンテンツ開発や、講師の育成業務にかかわる。

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