「ちむどんどん」黒島結菜が担う、広瀬姉妹の後釜 体育会の枠超え「「女であることの苦しさ」表現

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そこでもう1作、ある意味時間軸の超越と分類してもいい名作がある。『死役所』(テレ東・2019年)だ。死役所とは、死者がそれぞれの死因に基づき、成仏する手続きを行う場所。ややホラーテイストのファンタジーだが、登場する死者のエピソードは物悲しく切なくて涙を誘う。発想も内容も秀逸な傑作である。

黒島は、死者として訪れているが自分の死因を明らかにせず、死役所内に居座る三樹ミチル役。漫画原作では「一死者」だが、ドラマ前半のキーパーソンだ。生意気でズケズケと人の懐を探り、職員に悪態もつくミチルだが、彼女の好奇心のおかげで死役所の構図が徐々にわかっていく。

コメディリリーフではないが、重いテーマの中に明るさと軽妙さを投入する重要な役でもある。死者の悲しい過去に触れることで徐々に変化していくミチル。主人公・シ村(松岡昌宏)の凄絶な過去を知り、成仏を決意。シ村に別れのキスをするシーンはとてつもなく可愛かった……。

色恋で憎まれない理由は潔さ

悔しいけれど、再びNHK作品に戻ろう。黒島が演じた役で最も好きなのは、朝ドラ『スカーレット』(2019~2020年)の松永三津だ。ま、ヒロインの夫に好意を寄せてしまう若い弟子役だったので、賛否両論はある。この作品、川原喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)夫妻の描き方が微に入り細に入りよかったので、三津を憎む人もいたかもしれない。

でも、三津は実に魅力的な女子だった。ルックスはヒッピーテイスト、微妙な大阪弁でストレートな物言いだが、美大卒で全国の工房を旅して、釉薬の研究をしてきた優秀な女子だ。そもそも喜美子に弟子入りできたのは、泥棒(実は元弟子)を膝蹴りしてとっつかまえたから。正直でまっすぐな三津は、穴窯にこだわる喜美子と産地限定の土にこだわる八郎に、新しい発想と価値観をどんどんぶつけていく。

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