日本の新卒「採用基準」がガラリと変わりつつある訳 新しい評価基準が組み込まれるようになった
以上で見てきた通り、これからの大きな2つの社会トレンドのもとで求められる人材像はほとんど重なり、「自ら課題を発見して、新しい解決方法を創り出せる」という要件に収斂される。
そして、各企業はこの要件を新たな人材要件として採用選考でも重視するようになってきている(念のための補足をしておくと、実際には各企業ごとの解釈や表現ぶりには差異はあるし、この人材要件がすべてということではない)。
実は、上記の人材要件が再定義されたこと以上に重要なことがある。
実際の採用選考でも評価基準に
それは、この新たな人材要件が実際の採用選考でも評価基準になりえているということだ。というのも、こうした新たな人材要件を設定しても、抽象的な要件や定量化できない要件だと、結局は面接官の印象論やさじ加減に頼らざるをえず、大量の求職者を選考する新卒採用では具体的で実効的な評価基準になりにくいことが多かったからだ。
実際、私もまさにこの「課題を考えて、新しい解決方法を創る能力」(ビジネス創造力ともいう)をスコアリングできるデザイン思考テストの事業責任者を務めている。こうした先般、企業が求める人材要件を定量化できるテクノロジーが出てきたこともあり、企業がその求める人材像を具体的な評価基準にすることが可能になってきた。
こうして、新卒採用選考においては、課題や解決策を考える創造的な業務を遂行できる能力が重視され、この新たな人材要件が、テクノロジーの進歩により、具体的な評価基準に組み込まれる、というケースが増えてきている。
新卒採用においてはさまざまな変化が起きているが、この人材要件の変化と評価基準への組み込みがもっとも本質的な変化と言えるだろう。
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