日本の新卒「採用基準」がガラリと変わりつつある訳 新しい評価基準が組み込まれるようになった
AIは解くべき課題と解決策の方向性を指示すれば、自ら改善を繰り返しながら解決方法を実行し、精度を高めていく。ロボティクスも一定の作業であれば、人を遙かにしのぐスピードと正確さをもって解決方法を実行できる。
すると相対的に、この三角形の上部に位置する課題やその解決策を考える業務の割合が増加していく。そしてこの創造的な業務はAIやロボティクスが苦手とするところなので、人が担う必要がある。その結果、課題や解決策を考えられる人材こそが今後求められる人材になっていくのである。
AIやロボティクスにより労働力が代替される中では、今まで以上に自律的に課題や解決策を考えられる創造的な人材が求められるようになる。
予測不可能な時代に必要な人材
2. VUCA時代
VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味する。元々アメリカで使われていた軍事用語だが、2020年代に入り、変化が激しい世界情勢を表す言葉としてビジネスでも利用されるようになってきたものだ。
このVUCA時代においては、企業として「これをやれば正解だ」というものは存在しない。こうすればビジネスとしてうまくいく、という方法があって、あとは正確に早く大量に製品を作れば勝てる、という時代は終わったのだ。
こうした時代においては、言われたことを文句を言わずに実行するソルジャータイプ(悪くいうと指示待ち症候群的)な人材が都合が良かった。しかし、それは、企業や指示を出す上司が何が正解かわかっていることが前提だ。
このVUCAの時代では、上述の通り、企業も上司も何が正解かわからない。この時代においては、社員一人ひとりが「本当に解くべき課題は何なのか」「その課題を解くためにこれまでにはない新しい方法はないか」ということを考え、試行錯誤を繰り返さなければ企業は生き残れないのだ。
このようなことから、VUCA時代には、今まで以上に自律的に課題を考えたり解決策を試行錯誤できる人材が求められている。
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