2000連休を過ごした男に見えた生活リズムの真実 「規則正しい生活ができない」ことは本当にダメか

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そのため、朝型の生活がいつのまにか昼に起きる生活に変わり、しばらくすると夕方に起きる生活に変わり、やがては起床時間が夜7時というとんでもないことになってくる。だが、それで終わりではなく、さらに遅れて夜の12時になり、とうとう起床時間は午前6時になり、こうなってくると、妙に健康的な起床時間である。

物置に住みついた後、このリズムが延々と繰り返されていたらしい。乱れに規則性があるという発見は知的な意味で面白かった。ぐるんと一回転するまでに1カ月ほどかかることも判明した。最近読んだ本によると、ヒトの生体リズムは約25時間なのだが、日光を浴びることで24時間に調整されるらしい。ここに実例が存在していると本の著者にさけびたい気分になり、不思議と自分を誇りに思った。

しかし、不健康は不健康だ。

突如、夜中に思考が暴走して眠れなくなる

生活リズムを安定させるべく運動をはじめた。毎日5kmほど歩いて日光を浴びる。ジョギングはダルいのでしない。少し速めに歩くだけだ。ヨボヨボの人間のやることだ。それでも事態は好転した。ウォーキングだけでも変化を感じる。何より生活リズムが安定しはじめた。

アラームを使わなくても午前中に自然と目が覚める。夜中には眠気が来るし、8時間ほどで目が覚める。多少の変動はあるものの、記録してグラフにしてみると、午前9時から10時頃に起きて、夜は12時から1時頃に眠る生活が続いた。日光を浴びて運動をすることの効果が分かりやすくあらわれて、日々の起床時間という証拠記録まであるものだから浮かれていた。

3カ月ほど、起床時間と就寝時間はほとんど揺れずに維持された。

しかし、またしてもガタガタに崩れはじめた。運動は決めた通りに続けていた。日光も浴びていた。なのに乱れた。就寝前、島田紳助が芸能界を引退するというニュースを見て乱れたのだ。頭脳が発火して眠れなくなった。布団に入るが脳は覚醒して眠気が訪れない。考え事をしているうちにチュンチュンと小鳥の声が聞こえ、朝の光が入ってきた。朝まで紳助の件を考えていたわけではない。思念はすぐさま紳助を離れ、無関係なところに散りはじめた。そもそも私は島田紳助の熱心なファンというわけではない。単純に予想外のニュースで驚いたのだ。「自動思考」という言葉の意味を実感した。

次ページこの日を境に睡眠リズムはふたたび乱れはじめた
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