「学歴」が起業家の成否を決定付ける要素でない訳 一流大中退→ユニコーン企業が王道なのか?
しかしデータを見ると、10億ドル達成企業の創業者の大半は中退していない。いちばん多いのは学士号取得者(36パーセント)か、学士とMBAの取得者(22パーセント)だ。そして全体の3分の1は、それより上の学位(修士、博士、法学や医学の学位)を持っている。バイオテックや医療分野では、上級学位の取得者のほうが多い。あらゆる分野を含めた全体として、大学中退者は博士号取得者よりも少ないのだ。
CxOは上級学位を持っている確率がやや高い。学士号を持つ人に次ぎ、修士号を持つ人が18パーセント、博士号を持つ人が12パーセントを占める。
10億ドル達成企業の創業者のデータを通常のスタートアップ企業の創業者と比較すると、学歴のレベルに大きな違いはなかった。特定の学位を持つ人が成功する確率が高いわけではないということだ(大学中退者が10億ドル達成企業をつくる可能性も、他と比べて高くも低くもない)。
起業家は上級学位を持つ人の割合が高い
そして驚くことではないが、通常のスタートアップ企業と10億ドル達成グループのどちらも、アメリカ人全体と比較すると、上級学位を持つ人の割合がはるかに高い。
さらに創業者によっては、高い教育を受けたことが、複雑な市場や技術的に高度なプロダクトへの深い理解へとつながっている。たとえば医療装置のメーカー、ネブロ(Nevro)をつくったコンスタンティノス・アラタリスは、電子工学で学士号を取ったあと、電子工学と通信工学で修士号を取得した。その後、博士号を生物医学工学で取った。その間にMBAまで取っている。
これほどの学歴を持つ創業者はあまりいない。しかし慢性的な痛みを電気刺激で和らげる装置をつくっているネブロのような企業の場合、生物工学や神経学的モデリングの深い知識を持っているアラタリスだからこそ、会社が解決しようとする問題をよく理解できると思われる。
一方で、大学教育があまり関係ないと思える人々もいる。リンドン・ライヴは高校を卒業した直後に、南アフリカのプレトリアで最初の会社を立ち上げた。その後、ソーラーパネルの設計、設置、融資を行なうソーラーシティ(SolarCity)を設立した。それは2016年に26億ドルでテスラ(Tesla)に買収された。
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