「学歴」が起業家の成否を決定付ける要素でない訳 一流大中退→ユニコーン企業が王道なのか?

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成功創業者を輩出している大学ランキングも紹介します(写真:jessie/PIXTA)
ポストコロナにおいて経済復興を担う存在として大きく注目が集まる、スタートアップ企業。成功するための王道パターンというのは果たして存在するのだろうか?
シリコンバレーのベンチャーキャピタルData Collective(DCVC)社でパートナーを務めるアリ・タマセブ氏の著書『スーパーファウンダーズ 優れた起業家の条件』を一部抜粋、再構成し、4回連載でお届け。今回は第3回目だ。
第1回:「起業は若いほど成功する」という俗説にモノ申す(4月22日配信)
第2回:「圧倒的成功する創業者は技術者」という説の真実(4月29日配信)

偉大な創業者は大学を中退する?

クリス・ワンストラスはシンシナティ大学に入学して、たった2年で勉強に飽きてしまった。彼は英語を専攻していたが、授業に出ている時間よりもコードを書いている時間のほうが長かった。

ワンストラスはビデオゲームが大好きで、大学にはプログラミングの授業もあり、独力でゲームのプログラミングができるだけのスキルを身につけた。2年生のときには、腕はかなり上がっていた。

「学位が必要になると思ったことはない。必要なのはスキルだと思っていた」と彼はのちに語った。コーディングを独力で覚えられるなら、大学は何の役に立つというのか。

2008年、中退して数年後、ワンストラスはウェブベースの、コードのバージョン管理のプラットフォームであるギットハブ(GitHub)を立ち上げた。マイクロソフト(Microsoft)がそれを2015年に75億ドルで買収した。ワンストラスが学位を持っていなかったことは、ギットハブの成功、特に買収について何ら悪影響を与えなかった。マイクロソフトのビル・ゲイツとポール・アレン、どちらも大学を中退している。

大学を中退した天才たちの話はたくさんある。フィットビット(Fitbit)の創業者ジェームズ・パークはハーバード大学中退。マイケル・デルは1年生のときにオースティンにあるテキサス大学を辞めてデル・テクノロジーに入った。マット・マレンウェッグ(ワードプレス WordPress創業)、エヴァン・シュピーゲル(スナップチャット Snapchat創業)、ジャン・コウム(ワッツアップ WhatsApp創業)も中退者だ。

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