宋美玄さん「一度は使って」月経カップを勧める訳 女性特有の悩みを解決「フェムテック」とは?

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女性の健康を支援するフェムテックの意外な問題点を、宋美玄先生が語ります(写真:筆者撮影)

2020年頃から「FemTech(フェムテック)」という言葉を頻繁に目にするようになりました。フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決する商品やサービスのこと。

こういった動きはとても素晴らしいことですが、フェムテックのさまざまな商品やサービスの中には本当に必要なものかどうか、また女性の健康課題を解決できるかどうか疑問に思うようなものも散見されます。

そこで女性の健康についてはもちろん、フェムテックにも詳しい産婦人科医の宋美玄先生にお話を伺いました。

フェムテックが注目されている理由

――今、フェムテックが注目されているのは、なぜでしょうか?

宋美玄先生(以下、宋) 時代の流れもあると思います。以前は、「ナチュラル」志向が主流でした。ところが、現在では「テクノロジー」志向へと変わってきています。

例えば、出産は自然なお産(医療介入のない経腟分娩を指すことが多い)や水中出産などが自分らしいお産であるとしてよいという風潮がありましたが、今では麻酔を使って分娩時の痛みをなくす無痛分娩を希望する人も増えました。

さらに、月経血を腟にためておいてトイレで一気に出す「月経血コントロール」が可能だとか、皮膚から化学製品であるナプキンの有害物質を吸い込む「経皮毒」を避けるためや、体を冷やさないために布ナプキンを使うべきといった変な説が広まったりしましたが、こうしたナチュラル志向はだんだんはやらなくなっています。

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