「10回に1回の確率で当たる」踊らされる人の弱点 元国税調査官が伝授「数字のワナ」を見破る方法

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そんなことはちょっと調べればわかるのですが、広告コピーは「数字の魔力」をうまく使っているわけです。もし、この広告コピーが「480万人に1人が6億円長者になっています!」だったら、買う気がしませんよね。でも、「6億円長者が400人以上も誕生!」と言われると、「自分もひょっとしたら当たるかも」という気がしてくる。

事実は1つでも、数字の見せ方を変えると、相手に与える印象が大きく違ってくるのです。

「10回に1回の確率で全額が戻ってくる」

冒頭でお話しした、「10回に1回の確率で全額が戻ってくる」というのは、少し前に話題になったスマホ決済サービス「PayPay」の「100億円あげちゃうキャンペーン」の内容ですが、これも非常にうまいやり方だと思います。

上記の全額還元のほか購入金額の20%還元などもあり、利用する人が殺到したといいます。

しかし、「10回に1回の確率」で全額が戻ってくるといっても、「10回買えば必ず1回は全額が戻ってくる」わけではありません。10回買って1回以上全額が戻ってくる確率は、65%にすぎないからです。

「10回に1回の確率で全額が戻る」ということは、1回買い物をして当たる確率が10%、外れる確率が90%ということです。

10回買い物をして当たりを引く確率は、言い換えると「10回中1回以上当たる確率」です。これは、「10回すべて外れる確率」を計算して、全体からその確率を差し引くことで求めることができます。

10回すべて外れる確率の計算は、0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9 ≒0.35(約35%)です。ですので、10回中1回以上当たりを引く確率は、100%(全体)-35%(10回すべて外れる確率)= 約65%(1回以上当たりを引く確率)となるわけです。

この数字がつかめていないと、つい「全額タダになるまで何か買わなくては」と思い込んで、必要のないものまで買って逆に損をしてしまうということにもなります。

数字のうまい見せ方の例としては、全日空が行った「50人に1人無料」キャンペーン、ビックカメラが行った「100人に1人無料」キャンペーンも話題になりました。「BIG」は当たらなくても、50人に1人や100人に1人なら当たりそうです。

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