また、(2)(3)について、こうも指摘する。
「例えば、高度なデジタル・スキルを持っていて、“この会社のDXに貢献したいな“と思っても、働き方が合わないからマッチングが成立しない、ということがとても多くなっています」
これは2019年に働き方関連法が施行されて、より鮮明になった個人側の変化が反映されていると思われる。自分が人生で、仕事を通して何を成し遂げたいのか。いわば「働く価値観」に、家族や親族など、時々のプライベートな状況をすり合わせて、最適な環境を求める、という動きである。
「自社ではまかなえない人材のパーツを埋める」。これが中途採用のメカニズムだが、新しい働く環境を求める個人の意思決定の要因は、以前に比べてはるかに複雑化している。このことが、転職マーケットの、あるいは転職事業者の活況の背景にある。
〝色のついていない若者を採りたい〟意識は融解
このような変化の結果、と言うべきだろうか、転職者の年齢も幅が広がってきている。
また、リクルートエージェントによる「40代以上の転職決定者数推移」では、2013年を1とすると2021年は3.48に達している。(別表)
もう少し年代別に細かく見ると、2009年から2013年平均を1とすると、2021年には40代が4.97、50代が5.86と5倍前後以上になった。20代の2.79、30代の2.13を大きく上回る。
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リクルートの藤原氏は、「労働年数が伸びていく中で、今までは〝転職35歳限界説〟みたいなものがあって、企業側には〝できるだけ色のついていない若者を採りたい〟という意識がありましたが、そこはだんだん融解してきています」と指摘する。
さらにリクルートエージェントで転職コンサルタントを務める橋本尚弥氏は、次のように説明する。
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