「35歳転職限界説」がもはや過去の遺物となった訳 40~50代の転職者がこの10年で激増している背景

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では、どんな職種の人材が求められているのか。また、業種はどうか。

いわゆるDX人材への需要の高さは業種を問わず。巣篭もり消費で活況が続いた製造業各社に加えて、小売業や、遅れて飲食や旅行などのサービス業各社も意欲を取り戻しつつある。

このような求人側の積極姿勢には、どのような背景があるのだろうか。

「端的にいうと、環境がめまぐるしく変化して予測が難しい『VUCA』の時代の経営に、経験と高いスキルを持った人材がより必要になったからです」。パーソルキャリアの勝又氏は、こう指摘する。「既存事業をやっていればよかった時代から、何か新しいチャレンジをしようとしたときに、それができる人材が社内にはあまりいない。そこで、専門性を持っている人を採りたい、というニーズが強くなってきたのです」。

そんな中期的な変化に、コロナ禍による新たなワークスタイルも拍車をかける。

フルリモートOK、価値観ベースの転職も増える

そのことを象徴的に示す転職事例を紹介しよう。

伊東省吾さん(仮名、30代男性)は、大手ITベンダーに新卒以来勤めていたが、介護などプライベートな事情から、東北の実家近くでの転職を希望していた。ただ、同業種での転職は、土地柄もあって難しい。本人は、長く経験してきた請負開発の業務しか見ていなかったが、転職サービスに登録すると、音楽に関連するアプリを開発しているネットベンチャーから声がかかった。本社は東京にあるが、フルリモートOKという勤務条件。結果として転職を決めて郷里に戻った。年収も上がり、好きな音楽にも関われるというハッピーな転職だった。

ここにはコロナ禍転職ならではの要素が、いくつも見出せる。

(1) 勤務地が限定されるという制約条件がない
(2) プライベートに関わる働くための条件が満たされている
(3) 個人の価値観ベースの選択ができている

(1)はコロナ以前には、ありえなかった要素だ。

「どういう求人ニーズに対して転職を考えている人が興味を示すか。働き方、オンライン環境というのが普通に1つの重要要素になっています」。リクルートの藤原氏は、こう説明する。

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