部下がついてくる上司と離れる人の「叱り方」の差 たった10秒でやる気も引き出す言い方の具体例

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■5つのルール
①叱りと怒りを区別する
その叱りは怒りの感情に振り回されていませんか? 正当な内容確認をしたうえでなるべく冷静客観的な叱り方をしてください。
②人格否定をしない
叱ることと、相手の人格を否定することは異なります。立場が下の人に対して人格否定の言葉を発するとパワハラとも捉えられてしまいます。
③叱るべきタイミングを見極める
人の見ている前で叱るのは反発や逆ギレにつながるおそれがあります。
④五月雨式の長い指摘はしない
過去にさかのぼって、良くない部分をズラリと並べて叱られると、相手はムキになって逆にやる気を削いでしまいます。
⑤必ず救済措置をつくる
叱ると同時に、それに対する対策を提案すると、相手の逃げ道を提供できます。より相手があなたの言葉を受け入れやすくなるでしょう。

「遅刻による悪影響」を示す

場面1 いつも遅刻する部下に注意するとき
×先月も2回遅刻したよね。この半年だと10回以上だよ。君はダメな人間だね
〇君が遅刻すると、朝礼で分担が決められなくてみんなにも迷惑がかかっているよ

×人格の否定は絶対NG

先月の話はともかく、半年もさかのぼって注意すると、言われたほうは反省するより前に反感の気持ちが湧いてしまいます。

また、「君はダメな人間だね」という人格否定、全否定はぜったいに口にしてはいけないこと。ルール②「人格否定をしない」に違反です。ダメなのはあくまでも遅刻をしたという事実であり、その人の人格とは関係ありません。「自分はダメな人間なんだ」という思い込みは、人間の成長を阻む最大の壁になってしまいます。

〇遅刻をすることで起こる「悪影響」を伝える

遅刻を繰り返すのは、時間を守ることへのモチベーションが低い証拠です。それはもう癖のようなものなので、遅刻自体を否定するだけではあまり効果はありません。そういう人には、この言い方のように、「遅刻による悪影響」を示しましょう。「分担が決められなくて困っている」と具体的に真実を伝えれば、嫌味っぽくもなりません。

本人の意思に任せるだけでは改善が見込めそうにない場合は、「遅刻の原因になっていることはなんだろうね。一度紙に書き出してみてくれる?」というふうに、もう一歩踏み込むといいでしょう。

『シンギュラリティは近い』(NHK出版、2016)の著者であるレイ・カーツワイルも、問題点を書き出したところですでに解決に向かっているという提言をしていますので、行動を変えさせるやり方の一つとしてもおすすめです。

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