ピアニストになった26歳彼女の原動力は「楽しさ」 ショパン国際ピアノコンクール入賞・小林愛実

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「音楽にはその人の人生が現れる」と小林さん。これから先、自分にどんな人生が待ち受けているのか、今は楽しみで仕方がない。

小林さん:年齢を重ねる中で経験を積んで、たくさんの人と出会って、さまざまな感情を知ったことで表現の幅は広がったと思います。

この先、例えば結婚や出産をしたら人生の価値観はきっと変わる。そういった出来事が音楽にどう影響してくるのか知りたいんです。

ピアノ以外の本番は「全然うまくいかないんです」

小林さんは「つねに最高の演奏をすることは不可能」と言い切る。それでもプロとしてベストを尽くし、最高のパフォーマンスを発揮するため、日頃から行っていることは実にシンプルだ。

小林さん:結局、できることは練習しかないんですよね。練習は好きじゃないですけど、練習しないと舞台で楽しさを味わうことができないから、やるしかない。

同時に、「プロとして本番に強いことが大切」だという。

では、本番はどうしたら強くなれるのか。そう尋ねると、「私、本番がいちばんうまく弾けるんですよ」と笑った。

(写真:赤松洋太)
小林さん:舞台の上では客観的になることが大事なんじゃないかな。

主観的になってはだめで、主観と客観の双方のバランスが取れると、本番でうまく演奏できる気がします。

ただし、これはピアノ限定の話。意外にも小林さんは「ピアノ以外の本番はまるでだめ」なのだとか。

小林さん:学生時代、音楽の授業で歌やリコーダーの試験があったけど、全然うまくできなかったんです。それは多分、自信がないから。

でもピアノはたくさん練習しているから、絶対にうまく演奏できるって思えるんです。

だからこそピアノの前に座ると、不思議とパワーがみなぎる。日々の練習と「絶対に本番のほうがうまく弾ける」という思い込みが、さらに自信を深めることにつながっている。

次ページ理想は自分が表現したい音楽を追求し続けること
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事