女の友情は血よりも濃く、恋より脆いのは常識であるが、ライフステージによってあっけなく関係が変化するのもまた真である。
同じ学校で机を並べていた同級生たちも、齢(よわい)30にもなると、よくもまあこれだけ選択肢が異なるなというくらい、多種多様な人生を歩んでいる。
学生時代の友人たちと久しぶりに会うと、ある友人は妊活で悩んでいたり、姑問題で悩んでいたり、子供の夜泣きで悩んでいたり、そうかと思えば違う友人は仕事で突然チームリーダーに抜擢されて困惑していたりする。
私は、と言えば、当時は体を壊して仕事がうまくいかず、収入も落ち、毎月の医療費を必死で工面していた時期だった。相談事を持ちかけられても、そもそも悩みの次元が高度すぎてわが身を憂うばかりで、まるで役に立たぬ。
仕事もダメ。体調もダメ。思考回路も後ろ向き。恋の兆しも見えぬ。人と会っても全然楽しくない。うまくいかないときは、何もかもがうまくいかないものだ。



















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