仲良くなれるかな~どうかな~という、公園デビュー前の新米ママのような緊張より先に、「とにかく前に進まねば」「期日までにコレを終わらせねば」というミッションがあるので、自己紹介もそこそこで、全員が血眼になり、気がつけば何年も前からの同志のようになっているのである。
ひたすらに貪欲なビジネススクールの仲間たち
一口に社会人学生と言っても、実にいろんな人がいる。
「男作らず会社作っちゃいました~」と明るく話す30代の女性経営者。仕事に熱中しすぎるあまり、ブラジャーをつけ忘れて出勤したこともあると、平然と言っていた。
毎日、日本のどこかにいるけど、絶対に1カ所にじっとしていない営業マン(彼の動向はFacebookでチェックできる)。昨日は仙台出張のついでに仙台校の懇親会に参加していたかと思えば、今日は福岡校でチューターをやって、さらに明日は名古屋、その翌日は東京で授業を受けている。土日も働いているときや、平日昼間にボランティアをしていることもある。
アルバイトから始めて、社長の右腕として活躍しているキャバクラの経営企画職20代男子。華やかな夜の蝶たちを扱う世界の印象とはまったく逆の、ごくごく地味な見た目で、まじめに人材管理やらマーケティングやらに奔走している。
勤務先の外資系企業が買収され、変更を繰り返す経営方針に違和感を抱き、会社なんてアテにならないと起業を決意した女性。ベンチャー系の授業をくまなく受講し、起業プランを練って、卒業前に会社を設立して事業を始めてしまった。
レストランマネジャー、バーテンダーを経て、自然素材にこだわった食品を提供するカフェを作ることを決意した男性は、インドに渡ってスパイスの現地調査をするとともに経営プランを練り、念願かなってお店をオープンさせた。
父の死をきっかけに、自分の人生にはタイムリミットがあると実感し、日々の生活をすべてストップウォッチで計って記録し、タイムマネジメントを徹底させた会社員。超多忙な中で結果を出しつつ、時間管理講座などを主催し、現在は起業準備中……などなど。
とてもここでは紹介しきれないほど、多くの人と会い、共に課題の山を登った。みんな、他人からの意見や知識を吸収しようと貪欲だった。私はみんなのことを、無難にスマートに成功し続けてきたエリートだと思っていたが、どうもそうではないらしい。攻め攻めの姿勢で走って、時には転びながら進んできた、「肉食系エリート」なのだ。
そもそも「人は失敗するもの」「失敗は成功の基」という前提のうえで動いていたので、過去のいろいろを振り返って、後悔の海におぼれることもなかった。
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