「話し上手」「作文が得意」な子が育つママの口癖 好奇心を伸ばし信頼関係も築ける毎日の習慣

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私が幼稚園児だった頃、幼稚園から帰ると、縫いものや炊事、掃除などの家事をしている母に、その日にあったことを延々と話していました。母が移動するとそのうしろをくっついていき、2〜3時間ぐらいずっとしゃべりっぱなし(笑)。

いま思えば、幼稚園児の日常なんてそんなに変わりませんから、毎日同じ話もしていたと思うのですが、母は「その話は昨日も聞いたよ」などとは決して言わず、いつもニコニコしながら「ふん、ふん」と相づちを打って、私の話を聞いてくれました。忙しく手を動かしながらも、私の話をちゃんと聞いて相づちを打ってくれるので、母に話をするのは私にとって本当に楽しい時間でしたね。

母に話をするためにネタを仕入れたくて、周りをよく観察するようになったと思います。小学校に行くようになってからも、帰ったら母に話をしていました。

小学校に行くようになると、いままでと世界が変わるから、お母さんに話したいことがいっぱいあるんですよね。

聞き上手な母のおかげで、文章力が向上した

毎日、母に長時間話していた習慣が役立ったことがあります。小学1年生のとき、運動会のリレーについて作文を書くことがありました。みんなが書いた枚数は2〜3枚でしたが、私は14枚。母に話すような感じで書いていたら、すらすらと長い文章が書けたのです。幼稚園の頃から、毎日母に長時間しゃべり続けていたので、書くことがまったく苦ではありませんでした。先生に14枚も作文を書いたことを褒められて、文集に載る作文に選ばれました。うれしかったですね。もちろん、その日家に帰ったら、先生に褒められたことを延々と母に話しました(笑)。

「子どもは作文や記述式問題が苦手です。どうしたらいいですか」とよく質問されますが、お母さんが聞き上手になって、子どもに話したいことを話させることが大切だと思います。子どもに気持ちよく話させるためには、上手に相づちを打って、話しているのを遮るようなことは絶対にしないことです。たくさん話せるようになったら、それを文章にすればいいだけなので、文章力の向上につながります。

佐藤 亮子 「東大理Ⅲに合格した3男1女」の母

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さとう りょうこ / Ryoko Sato

大分県出身。津田塾大学卒業。大分県内の私立高校で英語教師として勤務。結婚後、夫の勤務先の奈良県に移り、専業主婦に。長男、次男、三男、長女の4人の子どもを育てる。長男、次男、三男は灘中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。長女は洛南中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。現在、長男、次男、三男は医師として活躍。長女は東大医学部の学生。その育児法、教育法に注目が集まり、全国で講演を行う。『頭のいい子に育てる 3歳までに絶対やるべき幼児教育』(東洋経済新報社)ほか著書多数。

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