岸田首相に教えたい「労働者の賃金を上げる方法」 物価高でも今の日本には円高より円安がいい

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ちなみに、筆者は、たとえば連合に加盟するような企業別の労働組合には、共感も期待もまったく持っていない。組合は、時に「専従」が一種の出世コースの一つとして会社に取り込まれているし、企業年金の条件改悪などの場合には、都合のいい社員の代表者として使い回されたりもしている。多くの組合は、組合費に見合う活動を行っていないと感じる。

加えて、連合は、非正規労働者を見捨てた「正社員クラブ」であり、政治的には、野党を分断することによって、実質的に自民党政権の強力な支持者となっている。野党は、潔く連合を見限って、労働者に直接政策を訴えかけるほうがいい。

論点を元に戻すと、現在、バラバラでかつ流動的であることによって交渉力が弱い非正規労働者は、団結することによって流動性をむしろ武器として「交渉力」を持つことができる。キーワードは「交渉力」だ。誰かやってみようと思う活動家はいないものか。

現在のような正社員の過剰な保護があって、正社員と非正規労働者が画然と分離された「身分」になっている状態を、過渡期を考えて、改善策を図に書き込んでみた(図2)。

図2:日本経済の解決策【移行期】

なお、「能力主義的資本主義」には、正社員の解雇の自由(金銭解決ルール付き)と雇用の流動化が含まれているので、「正社員」と「非正規労働者」の区分は、現在ほど大きくかけ離れたものにはならないはずだ。最終的には、「正規」と「非正規」の区別は溶けてなくなることが望ましい。区別がなくなった状態を図3として掲げる。

図3:日本経済の解決策【移行後】

さて、これでいいものか? 折に触れて、引き続き考えてみたいと思う(本編はここで終了です。次ページは筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

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