投資はリスク満載でも基本「ほったらかし」でよい 危険な4つの投資リスクは今どうなっている?

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破壊されたウクライナのキエフ市内。「リスクだらけ」のマーケットにどう向かえばいいのだろうか(写真:ロイター/アフロ)

本連載の主旨は経済とマーケットについて語ることなので、昨年来当面のリスクとして挙げている「4つのリスク」について現状を点検しよう。

依然として市場を覆っている「4つのリスク」とは?

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

第1のリスクは「コロナリスク」だが、これは改善傾向にあるように見える。3月21日をもって「まん延防止等重点処置」が全国で解除された。もともと、オミクロン株は重症化リスクが小さいし、ワクチン接種が進んでいるので「新規感染者1名」の重大性は、以前のコロナと異なってずっと軽くなっていたはずだった。

今後は「重症化リスクの高い人たちを保護するために、若者等元気な人たちも活動を自粛すべきだ」という方針から、「経済活動を活発化させ、とくに若い世代の機会の喪失を回避するために、重症化リスクの大きな人たちが自分の感染に気をつけよう」という考え方にシフトしていくことが望ましかろう。

とくに、児童・生徒・学生に対する活動の制限は、彼らの人生にとって損失があまりに大きい。また、飲食業はもっと自由であっていいだろう。店と客とがリスクについて合意できる関係で営業・利用するなら、それでいいではないか。

第2のリスクは地政学リスクだ。善し悪しの問題を棚上げして(一番悪いのは軍事侵攻したロシアに決まっているが)情勢だけを判断すると、ロシアのウクライナ侵攻でリスクが大いに高まったが、緩和の「兆し」が見えてきたように思う。

① 軍事的には、ロシアのほうがウクライナに対して優勢である。
② しかし、ロシアにウクライナを支配し続ける「総合的な国力」はない。
③ ウクライナ西部の空港、港湾が攻撃されるなど、外国のウクライナに対する軍事物資の支援は難しくなっている。
④ 一方、制裁はロシア経済にかなりのダメージをもたらしそうだ。
⑤ 他方、欧州、日本などはロシアからのエネルギーを完全に絶つことは難しい。
⑥ アメリカは、エネルギー、穀物、武器などのビジネスが儲かっているので「遠くの戦争は買い」的な1人勝ちの状況で紛争が長引いてもいいと思っている連中がいるかもしれないが、ロシアとの軍事衝突は避けたいと思っている。
⑦ ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はNATO(北大西洋条約機構)への加盟を諦めた旨の発言をしている。
次ページ3つめと4つめのリスクは?
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