世界株式のインデックスファンドに投資していると、経済が好調で株式への評価が高いアメリカのような国への投資ウェイトは上昇するし、評価がぱっとしない国(どことは言わない)のウェイトは下落する。市場の評価によって、投資ウェイトは自動調整されるのだ。ただし、過去の傾向が将来も継続するとは限らない。
さて、今回のロシアのウクライナへの侵攻と、ロシアを非難する諸国による経済制裁によって、ロシアの株式の取引は事実上停止された。外国からロシアに投資している投資家のロシア株式の価値も大きく損なわれた(もはやゼロかもしれない)。
ところで、こうした状況にあって、ロシア株を持っている投資信託のいくつかは設定・解約を停止しているが、全世界株式のインデックスファンドは現在も設定・解約が可能だ。
そして、こうしたファンドが持っているロシア株式の評価については、投信運用会社によって、対応が分かれている。
個別の会社名は挙げないが、基準価額計算の際にロシア株式の価値をゼロと評価する会社と、一定の見積もり方法でプラスの価値を基準価額に乗せている会社とがある。
この点の対応の差は、各社の既存・新規の投資家にとって損得や有利不利をもたらす要因になる可能性がある。どの場合に、どの会社のファンドが有利または不利なのか、また、評価ルールは統一されるべきなのか、統一するとしたらどんなルールにするのがいいのか、筆者の考える「答え」は書かないが、読者はよく考えてみてほしい。
異例な事態が起こると、「投資信託なんて(まして、インデックスファンドなんて)どこの会社のものも同じだ」とは言えないことがわかるはずだ(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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