「日経平均2万円割れの懸念」が無謀ではない理由 株価下落の理由は「ウクライナ」だけではない

✎ 1〜 ✎ 107 ✎ 108 ✎ 109 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
プーチン大統領の行動は決して予想できないものではなかったかもしれない。しかも投資家たちは、なおも「都合のいい解釈」をしている可能性がある(写真:代表撮影/AP/アフロ)

個人的見解だが、結論から言うと、日経平均株価は2万円割れの可能性まであるだろう。

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

これを今言うのは、とても危険だ。
原稿執筆時点(3月10日)では、9日のアメリカ株式市場は大幅上昇、10日の日経平均株価も一時は約1000円高となったからだ。

世界は、リスクオフからの反動で、一気にリスクオンに傾いたことが背景で、この動きは広範かつ持続しそうにみえる。

「日経平均のさらなる下落」を予想するのは無謀?

原油価格の指標であるWTI先物価格は一気に15ドル前後も下落し、1バレル=105ドル前後に。金もプラチナも小麦もすべての資源、農産物先物が一時大幅下落した。

きっかけは、UAE(アラブ首長国連邦)が大幅増産を行うなどと表明したことだ。おそらく、これまで一気に買いポジションを膨らませていた投機筋が投げ売ったということだろう。

リスクオフの流れに乗った投資筋がすべての市場で手仕舞ったということが理由で、株式もその一環にすぎない。さらに株式に限っては、個人投資家がアメリカの株式市場でも下げ局面で買い続けていた流れが、ここで加速したということもあるだろう。

市場は「ウクライナの最悪期はこれからだが、株式市場の最悪期は去った。今度こそ、市場は停戦後を先取りしている」とはやしそうだ。

そんなタイミングで「まだまだ下がる」、しかも「日経平均2万円割れ」など、誰も想定していない可能性に言及するなんて、阿呆以外の何者でもない。しかし私は、下落の継続・拡大を予想する。競馬予想が外れすぎて、外れ慣れているから、外れても気にしないから、ではない。「下がる確実な理由」があるのだ。

それは、株価が下げてきたのは2つの理由があったにもかかわらず、人々も市場も1つの要因で頭がいっぱいになってしまい、もう1つの理由を忘れてしまっているからだ。

次ページ株価が下げてきた「2つの理由」とは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事