「日経平均2万円割れの懸念」が無謀ではない理由 株価下落の理由は「ウクライナ」だけではない

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実際の投資家の反応を振り返ってみると、以下のようであった。

「ロシアがウクライナに侵攻する」とアメリカの当局が警告したにもかかわらず、多くの専門家、評論家たちは「合理的でない」として脅しにすぎない、あるいはアメリカが不安をあおっている、と斜に構え、侵攻リスクを株価にほとんど織り込まなかった。しかし現実には、侵攻は起きた。

次に、侵攻が始まると「侵攻はすぐに終わる」「キエフはすぐ陥落する」、あるいは「ロシアも長期化を望まないから、すぐに引いて交渉に入る」などと市場関係者は解説した。株価が大きく下がっても、連続して下がり続けず、ある程度、戻した。市場はすでに収束後を織り込んでいると解説して、この反発上昇を自慢した。

「自分たちの願望」を正当化した投資家たち

しかし実際には、侵攻は長期化し、戦闘は泥沼化した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はとことん攻め続ける意思ははっきりしているのは、誰の目にも明らかだった。

だが、投資家たちは違った。アリバイ作りのような停戦交渉が行われるたびに、収束を期待し、株価は戻した。

しかし、毎回、交渉は成果がないどころか、そもそも「交渉する意味があるのか」と誰もが思うような、ウクライナには到底受け入れられない無理な主張をロシアは続けるだけだった。交渉が失敗に終わるたびに、株価は下落した。

このプロセスを振り返ってわかることは、投資家たちは自分たちの願望でしかロシアのウクライナ侵攻を見ていなかった、ということだ。事実ではなく、願望を正当化して、他人にも押し付けようとする。これが投資家たちが誤った理由の第2であり、これもまた、投資家たちの悪いクセ、お決まりのパターンの1つだ。

彼らの願望を市場価格に実現させようとする、その厚かましさは今回とくにひどかった。ウクライナ侵攻で原油価格が暴騰したこと、および世界的な景気減速懸念により、FEDの利上げが遠のく、あるいはペースが緩やかになると期待して、むしろ株式市場にはプラスの面もある、とまで言ってのけたのだ。

プーチン大統領よりも狂っているのは彼らだ。ありえない。願望を押し通すにもほどがあるだろう。

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