「日経平均2万円割れの懸念」が無謀ではない理由 株価下落の理由は「ウクライナ」だけではない

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この2つの理由とは、前者はウクライナであり、後者はアメリカの利上げである。すなわち、後者のアメリカの利上げによる下落の部分は忘れられているが、実際に利上げが始まり、またそのペースが以前危惧されたように速いペースになれば、株価はもう一度暴落する。そして、実際に利上げは早いペースで行われ、なおかつ、それでもインフレは止まらない、と私は予測するからだ。

株価が一直線に下落しなかった3つの理由

みな忘れているが、株式市場はロシアのウクライナ侵攻が始まる前から下落基調が始まっていた。投資家たちは、アメリカの中央銀行であるFED(連邦準備制度)の一挙手一投足に振り回され、そして最後には利上げがついに始まることにおびえていた。そして、その利上げ時期が大幅に前倒されることが見込まれるようになり、実行が目の前に迫ってきたところだったのだ。

そこへ、ロシアがウクライナ侵攻した。もちろん、株式市場はウクライナリスクで暴落した。しかし意外なことに、直ちに切り返すなど乱高下が続いた。一直線の下落にならなかったのだ。なぜか?

その理由は3つあった。

第1の理由は、投資家たちがロシアの意思を理解できていなかったからだ。つまり、その結果、侵攻は脅しにすぎないと思っていたし、侵攻が始まってからも、すぐにロシアが落としどころへ向けて動くと思っていた。

投資家たちは「ロシアが戦争を始めても得などない。だから侵攻は合理的でない。したがって脅しにすぎない」――。そう考えたからだ。

この誤りの背後にあるのは、投資家たちの思考の限界だ。自分の枠組み、思考回路でしか、物事を見ることができない。したがって、つねに起こる誤りのパターンといえる。

むしろ、素人には普通のこと(私をはじめ多くの素人の見方は、ロシアは帝国、プーチンは皇帝だから、何が何でもウクライナに侵攻するというもの)が彼らには見えないわけだ。

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