2022年はいよいよ「深刻な危機」がやってきそうだ

株式市場が伝える「インフレ懸念」の「真実」とは?

声明文を発表するジェローム・パウエル議長。筆者は「従来のFOMC後の様子や口調とは大きく異なっていた」と指摘する(写真:ロイター/アフロ)

12月16日の日本時間早朝4時(アメリカ東部時間15日14時)、FED(アメリカの中央銀行)は、FOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)声明文を発表した。同国債などの買い入れ額の減少、いわゆるテーパリングを加速することを決定した。そして、付属する資料においてFOMCメンバーの多数派が、2022年度の短期金利が0.75%程度上昇すると見込んでいる、ということが示された。

メディア側の「2つの勝手な解釈」とは?

これについて、一般的には「FEDは2022年に利上げを3回行うことを決定した」といったように報道されることも少なくないのだが、それは2つの意味で誤りである。メディア側の「2つの勝手な解釈」が入っているのである。

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第1の勝手な解釈は「FEDは利上げを行うときは、0.25%ずつ上げる」という仮定のうえに成り立っていることである。それはこのところFEDは利上げを0.25%ずつ行うことが標準となっているからである。つまり、0.75%とは「0.25%×3」ということと解釈しているのである。

ただし、これは何も決定されていない。それどころか、ジェローム・パウエル議長自身は、FOMC後の記者会見で一度も言及していないし、公式には誰も「0.25%ずつだ」などと言ったことはない。さらに、現実においては、インフレが加速した場合には、0.5%上げることも十分にありえる(過去にも何度もあった)し、場合によっては一気に0.75%とか1%も上げる可能性すら理論的にはあるのである。

もう1つの問題は、FOMC声明文に添付されている今後の見通しのグラフ、いわゆるドットチャートと呼ばれているものについてである。この中では、今後の短期金利見通しがグラフにプロットされているが、それは、FOMCメンバーの意思を示したものではまったくない、ということである。

報道だけ読むと、FOMCのそれぞれメンバーに「来年どのくらい利上げをするべきだと思いますか?」と質問して、それぞれのメンバーが「自分は0.75%」「私は1%」などと答えていて、その中の多数派が0.75%だった、というように思えてしまうが、まったく違う。決定的な違いは、FEDの利上げの見通しではなく、金融市場における結果としての短期金利なのである。

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