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2022年はいよいよ「深刻な危機」がやってきそうだ 株式市場が伝える「インフレ懸念」の「真実」とは?

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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これは、FEDが利上げする見通しの数字や表ではなく「実際の金融市場における金利がこうなると、現在では予想される」というあくまで見通しにすぎないのである。それも、妥当な金利水準の見通しですらなく、ただの金利市場での金利水準の見通しであり、失業率やインフレ率の見通しとまったく同じ性質の意味での見通しなのである。

FEDのターゲットレートがそのまま短期金融市場で成立することが、短期金利においては通常である(長期金利はまったく違う。それなのに日銀はその長期金利をターゲットにしているので、人類史上例を見ない中央銀行の政策なのである)。

だから、市場の見通しだろうが、政策決定者の意思の見通しだろうが「結局同じことではないか」と思われるだろうし、報道側も金融関係者もみなそう思っているが、それは違う。FOMC関係者、FEDの内部の人々は、まったくそのようには考えていない。

これは、致命的に違う。どういうことか。

金融政策に「自分の意思」があってはならない

もしFOMCメンバーの意思の見通しであれば、このドットチャートと実際の金融政策が異なれば、FOMCメンバーは責任を取らなければならない。約束を守らなかったからである。

市場関係者、債券、為替、株式トレーダーたちからすれば「約束が違う!」ということになる。

しかし、そうはならない。なぜなら、金利の見通し、市場の見通しが変わっただけだからである。そして、経済の状況が変わったから、FOMCメンバーとしては、その時々のFOMCにおいて、そのときの最新の経済状況を踏まえて、そのときの最適な金融政策を決めるのである。したがって、見通しと結果が異なっても、反省するどころか、過去の見通しに縛られず、現状において最適なものにすばやく変更することが重要であり、反省することは罪であり、害なのである。

ちなみに、FOMCのメンバーについては「タカ派」だとか「ハト派」だとか色分けされるが、それもミスリーディングだ。彼らの経済の見通しが異なるだけなのであって、「金利を上げたい人」と「上げたくない人」がいるのとは、まったく違うのである。

あくまで、FOMCメンバー、そしてFED自身、金融政策というのは、経済に対する対応なので、自分の意思があってはいけないし、ないのである。彼らは、あくまで、経済の状況を観察して、それにベストの対応をするだけの受け身の人々、機関なのである。日銀の異次元緩和に慣れてしまった日本の人々にとっては、違和感があるかもしれないが、日銀の異次元緩和こそ、中央銀行関係者にとっては違和感の塊なのである。

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