「奨学金2160万円」借りた35歳医師の"遠回り人生" 研究者を断念も、医学部再受験を決意できた訳

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「予備校に行かずに現役で志望大学に合格できたのは、医学部受験を決意するうえでとても大きかったと思います。

というのも、周囲の人たちから持ち上げられて、褒められたことによって、自分のアイデンティティや核ができたんですね。そうやって、『自分はできるんだ』という根拠のない自信をずっと持ち続けることができたから、『新卒』という肩書を捨ててでも、医学部再受験を決意できた。

そう考えると、もし高校生の時にランクを下げてでも、学費の安い国公立を受験していたら、その後、医学部を受験するなんてことは考えることもなかったと思います。

一見、遠回りに思える人生ですけど、これが自分にとっては、医師という夢を叶えるための最短ルートだったんだと感じています」

回り道が「最短ルート」のことも

社会が厳しさを増すなかで、コスパや効率を意識せざるを得ない場面が増えている。もちろんそれが悪いわけではないし、奨学金返済当事者の中にも「いかに早く返せるかで仕事を選んだ」と語る人も少なくない。

だが、一方で、「自分の望む人生を叶える」という意味では、パッと見のコスパや効率だけでは測れない部分もあるのも間違いない。人生というものの複雑さを教えてくれる体験談であった。

本連載「奨学金借りたら人生こうなった」では、奨学金を返済している/返済した方からの体験談をお待ちしております。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
千駄木 雄大 編集者/ライター

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せんだぎ・ゆうだい / Yudai Sendagi

編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。奨学金、ジャズのほか、アルコール依存症に苦しんだ経験をもとにストロング系飲料についても執筆活動中。奨学金では識者として、「Abema Prime」に出演。編集者としては「驚異の陳列室『書肆ゲンシシャ』の奇妙なコレクション」(webムー)なども手掛ける。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)。原作に『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』がある。毎月、南阿佐ヶ谷トーキングボックスにて「ライターとして食っていくための会議」を開催中。

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