「予備校に行かずに現役で志望大学に合格できたのは、医学部受験を決意するうえでとても大きかったと思います。
というのも、周囲の人たちから持ち上げられて、褒められたことによって、自分のアイデンティティや核ができたんですね。そうやって、『自分はできるんだ』という根拠のない自信をずっと持ち続けることができたから、『新卒』という肩書を捨ててでも、医学部再受験を決意できた。
そう考えると、もし高校生の時にランクを下げてでも、学費の安い国公立を受験していたら、その後、医学部を受験するなんてことは考えることもなかったと思います。
一見、遠回りに思える人生ですけど、これが自分にとっては、医師という夢を叶えるための最短ルートだったんだと感じています」
回り道が「最短ルート」のことも
社会が厳しさを増すなかで、コスパや効率を意識せざるを得ない場面が増えている。もちろんそれが悪いわけではないし、奨学金返済当事者の中にも「いかに早く返せるかで仕事を選んだ」と語る人も少なくない。
だが、一方で、「自分の望む人生を叶える」という意味では、パッと見のコスパや効率だけでは測れない部分もあるのも間違いない。人生というものの複雑さを教えてくれる体験談であった。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら