オリックス、2年で観客動員30%増の秘密 「カープ女子」の次は「オリ姫」の時代だ
パ・リーグ球団の経営改革のきっかけになった、2005年の近鉄バファローズとの統合から10年。神戸地盤の旧阪急ブレーブスの流れをくむオリックスと、大阪地盤の近鉄の統合だったため、当初は神戸と大阪のダブルフランチャイズだった。統合の際に実施された大規模な選手の“リストラ”などによるイメージダウンが、集客面でのハンディになったことは否定できない。
チーム成績もぱっとしない期間が続いた。1994~1997年まではリーグ首位争いの常連だったが、2000年シーズンを最後にイチローが、そして翌2001年シーズンを最後に田口壮がメジャーへ移籍。2002年以降、2013年シーズンまでの12シーズンで最下位が6回、5位が3回、4位が2回とBクラスが常態化。
日本シリーズを制した1996年に179万人だった観客動員数も、2007年には113万人に落ち込んだ。2010年(5位)、2011年(4位)に140万人台まで回復したものの、最下位に沈んだ2012年は再び130万人台に。だが、この2012年を底に増加に転じた。
ゴールデングラブ賞はソフトバンク上回る4人を輩出
――観客動員数が前期は前年比18%、2013年シーズンも含めた2年間で言えば28%の伸びです。これはDeNAベイスターズに次ぐ2番目の伸び率ですが、秘訣はなんだったのでしょうか。
まずはチーム成績が前半からずっとよく、最終戦まで18年ぶりのリーグ優勝の可能性があったことが大きな要因だったと思います。
「今日勝った、明日は金子千尋が投げるから勝つかもしれない」――。そういう期待があるから来てくれる。負けると思って行く人はあまりいないでしょうから。勝てば楽しい。
そうすると「行って楽しかった」というクチコミが広がります。
――2014年シーズンは、金子千尋選手が勝利数、防御率トップで沢村賞も受賞、ゴールデングラブ賞もと、賞を総なめにしましたし、ゴールデングラブ賞のほかのポジションでも、捕手では伊藤光選手、一塁手ではT-岡田選手、外野手では首位打者を獲得した糸井嘉男選手と、9つのポジション中4つがオリックスの選手で、最終戦まで争ったソフトバンクの3人を上回りました。ただ、2008年シーズンも2位だったのに、観客動員数は126万人に留まりましたから、強かったというだけではない気がします。
もちろんそうです。これまでやってきた地道な施策の成果が表われた時期と、チームが強くなった時期が重なったということだと考えています。
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