オリックス、2年で観客動員30%増の秘密 「カープ女子」の次は「オリ姫」の時代だ

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 「2015年、カープ女子の次は『オリ姫』」? 今、オリックスがひそかな脚光を浴びている。最終戦まで首位争いを演じた2014年シーズンは、観客動員数が前年比18%も増加、伸び率では広島に次いで12球団中2位(総観客動員数は170万人で7位)。実は5位に終わった2013年シーズンも前年比で8%伸びており、これは12球団中4位だ。 過去を振り返ると、2008年シーズンもチーム成績は2位と健闘したものの、この年の観客動員数は126万人でしかなかっただけに、前期の伸びはチーム成績だけが原因ではないだろう。近年の集客戦略を西名弘明社長に聞いた。
2014年9月7日のゲーム前に開催された「集まれ!カメラ女子イベント」 ©ORIX Buffaloes

パ・リーグ球団の経営改革のきっかけになった、2005年の近鉄バファローズとの統合から10年。神戸地盤の旧阪急ブレーブスの流れをくむオリックスと、大阪地盤の近鉄の統合だったため、当初は神戸と大阪のダブルフランチャイズだった。統合の際に実施された大規模な選手の“リストラ”などによるイメージダウンが、集客面でのハンディになったことは否定できない。

チーム成績もぱっとしない期間が続いた。1994~1997年まではリーグ首位争いの常連だったが、2000年シーズンを最後にイチローが、そして翌2001年シーズンを最後に田口壮がメジャーへ移籍。2002年以降、2013年シーズンまでの12シーズンで最下位が6回、5位が3回、4位が2回とBクラスが常態化。

日本シリーズを制した1996年に179万人だった観客動員数も、2007年には113万人に落ち込んだ。2010年(5位)、2011年(4位)に140万人台まで回復したものの、最下位に沈んだ2012年は再び130万人台に。だが、この2012年を底に増加に転じた。

ゴールデングラブ賞はソフトバンク上回る4人を輩出

――観客動員数が前期は前年比18%、2013年シーズンも含めた2年間で言えば28%の伸びです。これはDeNAベイスターズに次ぐ2番目の伸び率ですが、秘訣はなんだったのでしょうか。

西名弘明(にしな・ひろあき)1944年9月生まれ。京都市出身。関西学院大学経済学部卒。1968年オリエント・リース(現オリックス)入社。1993年取締役東京営業本部副本部長。2009年グループ関西代表。2009年10月から球団経営会社のオリックス野球クラブ代表取締役社長・オーナー代行。2011年からオリックス本体の執行役副会長を兼務。 ©ORIX Buffaloes

まずはチーム成績が前半からずっとよく、最終戦まで18年ぶりのリーグ優勝の可能性があったことが大きな要因だったと思います。

「今日勝った、明日は金子千尋が投げるから勝つかもしれない」――。そういう期待があるから来てくれる。負けると思って行く人はあまりいないでしょうから。勝てば楽しい。

そうすると「行って楽しかった」というクチコミが広がります。

――2014年シーズンは、金子千尋選手が勝利数、防御率トップで沢村賞も受賞、ゴールデングラブ賞もと、賞を総なめにしましたし、ゴールデングラブ賞のほかのポジションでも、捕手では伊藤光選手、一塁手ではT-岡田選手、外野手では首位打者を獲得した糸井嘉男選手と、9つのポジション中4つがオリックスの選手で、最終戦まで争ったソフトバンクの3人を上回りました。ただ、2008年シーズンも2位だったのに、観客動員数は126万人に留まりましたから、強かったというだけではない気がします。

もちろんそうです。これまでやってきた地道な施策の成果が表われた時期と、チームが強くなった時期が重なったということだと考えています。

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